連続ドラマ「あなたのことはそれほど」8話(TBS系)。


あらすじ


美都(波瑠)が離婚届けいくら用意しても、涼太(東出昌大)はわざと名前を書き間違え、なかなか離婚は成立しない。一方の有島(鈴木伸之)は、麗華(仲里依紗)とギクシャクした日々を送っていた。

そんな中、美都に妊娠疑惑が浮かび上がる。時期から考えると有島との子だ。しかし、涼太は不倫相手の子でも、我が子のように愛せると宣言する。

涼太の執着心の源


涼太の美都への執着心は異常だ。美都は確かに見た目は良いかもしれないが、罪悪感も無しに不倫を繰り返す、決して良い奥さんとは言えない。しかし、今話、その執着心の理由について、涼太と小田原(山崎育三郎)との会話から見えてくるものがあった。

涼太の母親は、「お天道様は見ている」が口癖だった。料理は下手、掃除するとものを無くしてしまう何も出来ない人。母親はある日、飼っていたインコを殺してしまった。

しかしその時、涼太の父親は「母さんを責めるな」と涼太に向かって言う。可愛くて、良い人で、愚かな人。そんな母親を、死んで15年経った今でも父親は愛し続けているという。

「お天道様は見ている」というセリフは、出会った時に美都が涼太に言っていたセリフだ。涼太は、死んだ母親への愛情から、美都を好きになってしまったと錯覚してしまったのではないだろうか?

そして、そんな母親を今でも愛し続けて独り身を続けている父親を尊敬し、その生き様が正しいと思い込んでしまい、「例え死んでも、例え不倫しても、最後まで家族を愛し続ける」という生き方を選んだのではないだろうか?

要するに、涼太の愛は美都へのものではなく、両親へのもの。家族愛がねじれた形で表面化してしまったのだ。

タイトルの意味って・・・


そうなると一つ気になっていた事も解決する。それは「あなたのことはそれほど」というこのドラマのタイトルについてだ。普通に考えれば、美都は有島が一番好きで、涼太に対して実は「あなたのことはそれほど」と、受け取れる。

ただ、これがなんだか納得いかない。確かに「それほど」なのだが、それは第2話か3話くらいまでの話であって、中盤からは「それほど」好きではないどころか、「嫌悪感」しかないように見える。間違ってはいないが、タイトルに少し違和感がある。

そこで今回の涼太の両親の話だ。涼太が家族が一番好きなのだとしたら、実は「それほど」なのは美都に対しての涼太の気持ちなのではないだろうか?

美都「なんでそんなに別れたくないの?なんで私なんかが好きなの?」

涼太「僕は家族は一生そのままであるべきだと思うんだ。みっちゃん、あなたのことはそれほどだよ」

もし、こんなくだりがあったとしたら、その時の美都は過去最高に恐怖を感じることになるかもしれない。

(沢野奈津夫@HEW)