巨大な滝としてはアメリカとカナダの国境沿いにある「ナイアガラの滝」が有名ですが、アメリカにはかつてナイアガラの滝の2倍の高さ、3倍の幅を持つ史上最大の滝が存在していたことが分かっています。

BBC - Travel - The largest waterfall that ever existed

http://www.bbc.com/travel/story/20170601-the-largest-waterfall-that-ever-existed

アメリカ・ワシントン州を東西に二分するカスケード山脈は、西側を湿潤な気候、東側を乾燥した気候に分けています。西側には3つの国立公園がある豊かな土地ですが、東側は砂漠が広がるため、多くの人にとって関心が薄い地域になっています。



約1万5000年前、Missoula(ミズーラ)湖という現在のミシガン湖の半分ほどの大きさの湖は氷河で覆われていましたが、氷河期が終わるとダムが崩壊し、深さが660フィート(約200メートル)、長さが60マイル(約96キロメートル)もの峡谷を刻みながら大量の水が放出されました。固い玄武岩の地層が削り取られた跡は「Scablands」という名前が与えられています。なお、ミズーラ湖からの大量の水が放出された大洪水では、200マイル(約320キロメートル)離れたポートランドでも、地質構造に影響を与えたことが分かっているとのこと。



ミズーラ湖からの大洪水によって、ナイアガラの滝の2倍の落差、3倍の幅を持つ「史上最大の滝」を生み出しました。この滝の跡は、馬蹄形の崖としてサン・レイクス州立公園の中に残されています。



地質学者の研究では、氷河のダムが決壊したときに、激流は時速65マイル(約105キロメートル)、水深は300フィート(約91メートル)に達し、大量の水が流れることでたった1週間で峡谷が生まれたことが分かっています。



水で押し流された鉱床はワシントン州やオレゴン州に分散。



パールス・フォールズ州立公園の巨大な滝は、ミズーラ大洪水による浸食の名残だとのこと。



かつて存在していた史上最大の滝を生み出したScablands地帯ですが、その範囲は960万エーカーとニュージャージー州よりも広範に広がっています。アメリカでは連邦法や州法で公園として保護される面積は25万エーカー未満となっているため、Scablands地帯全体を保護することは出来ないのが現状だとのこと。さらに、ドナルド・トランプ大統領は、2017年4月26日に10万エーカー以上の自然公園の見直しを行うExecutive Order 13792に署名したことから、歴史的な価値があるScablands地帯の保存に黄色信号がともっているそうです。