仏北部ランスの病院で、出産後に赤ちゃんの手を取る母親(2013年9月17日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】27年前に新生児の取り違えが起きたオーストリアの病院に対し、同国の裁判所は12日、3万ユーロ(約370万円)の賠償を支払うよう命じた。

 この病院で1990年に誕生したドリス・グルンバルト(Doris Gruenwald)さんは数年前、DNA検査によって育ての親と生物学的なつながりがないことが判明した。取り違えられたもう1人は、いまだ身元が明らかになっていないという。

 ドリスさんを自分の娘として育てたエベリン・グルンバルト(Evelin Gruenwald)さんは昨年、地元紙クローネ(Krone)の取材に対し「もちろん私と娘にとって大変な衝撃でした」と明かし、「でも、どんなことがあっても私たちが離れ離れになるなんてことはないとわかっていました。私たちはずっと母と娘であり、この娘(の誕生)は私に今まで起きた最高のものです」と語った。

 一方、ドリスさんは、事実を知った時のことについて「全身が震え出した」「足下の地面が無くなってしまったような感じ」と説明した。

 ドリスさんの出産を手掛けた「LKH大学グラーツ病院(LKH University Hospital Graz)」によると、未熟児として生まれたドリスさんと同時期に生まれた低出生体重児の女の子についての記録はないという。

 同病院は取り違えがどのように起こったかについて詳細を公表していないが、英紙インディペンデント(Independent)が昨年報じた記事によると、解決を図るために「あらゆる努力をしている」とコメントしたという。

 ドリスさんの取り違いが発覚した後、病院は同時期に生まれた女性約200人に対し、無料でDNA検査を実施すると発表。しかしこれまでのところ検査を受けたのは30人ほどで、DNAは一致しなかったという。

 賠償を言い渡した裁判所の判決は確定しておらず、今後上訴される可能性もある。
【翻訳編集】AFPBB News