「家事」や「育児」と言うと、まだまだ女性の役割と思われている部分もありますが、女性の社会進出が進み仕事を持つのが当たり前になった今、「そんなこと言ってたら回らない」「なぜ女性だけが仕事と家事・育児の両立なの?」という声や不満がいろいろなところから噴き出しています。と、同時に男性の育児休暇取得にも社会の関心が集まっています。

リクルートグループのリクルートコミュニケーションズがこのほど、全国の20〜50代の子どもがいる一般男性190人にアンケート調査を実施したところ、会社の制度で認められるならば男性も「育児休暇」の取得に前向きであることがわかりました。

子どもの誕生で家事・育児の時間が増えた

まず、「子どもの誕生をきっかけに、ご自身が家事・育児を行う時間は増えましたか?」という質問に、62.6%の男性が「増えた」と回答。「変わらない」と回答した人(34.7%)よりも多い結果になりました。

「増えた」と回答した人の理由を見てみると、「子どもの誕生により妻の負担が増えたため、家事・育児を分担する必要があると感じたから」が33.6%と最も多く、次いで「子どもに向き合う時間を確保したいから」(30.3%)、「妻の要望に応じて」(11.8%)、「特に意識せず自然と行っていた」(11.8%)、「男性も家事・育児を行うのが当然だと思うから」(10.9%)となりました。

1日あたり、平日1時間・休日2時間の増加

家事・育児時間が1日あたりどのぐらい増えたかという質問では、平日は「1時間」(46.7%)、休日は「2時間」(30.4%)が最も多くなりました。

休日には「3.5時間以上」家事・育児に時間を取っている男性も27.2%いました。

就業時間の変化は…

子どもの誕生をきっかけに、就業時間の長さに変化があったかという質問には、全体で、「変わらない」(82.6%)と答えた人が最多となりました。前出の質問で「家事・育児を行う時間が増えた」と回答した男性のみで見た場合でも「変わらない」が80.7%となり、就業時間の増減には影響していないことが明らかになりました。

仕事のモチベーションが上がった

なお、家事・育児を行うことで、働き方や仕事の成果に変化があるかという質問をしたところ、全体で「仕事のモチベーションが上がった」(27.4%)という回答が最多になりました。さらに、子どもの誕生により家事・育児の時間が増えた人では「仕事のモチベーションが上がった」と回答した人が37%となり、全体より約10%多いという結果になりました。

育児休暇「取得したい」が約5割

「勤務先に男性もとれる育児休暇制度」があった場合の取得の希望についての質問では、「取得したい」と回答した人が全体で40.5%、家事・育児の時間が増えた男性では49.6%となりました。

育児休暇から得られることも多い

同調査では、育児休暇を取得した男性社員の声も紹介しています。

「出産直後のタイミングで、20日間の育休をフル取得。ある程度の期間を職場から離れることになるので、女性が職場復帰するときの不安も少しわかるようになると思います」(40代・部長・2児の父)

「取ったら取ったで同僚が全力で支えてくれると知りました。みんなが親になったら今度は僕が恩返しします」(30代・スタッフ・1児の父)

「以前にも増して、ひとつひとつの仕事の本質を考えるようになった。 息子の未来に、すこしでも良い社会を残したい。そんな責任を感じるようになったからかもしれません」(30代・マネジャー・1児の父)

子どもの誕生や育児休暇の取得で、男性側の意識の変化も見られた今回のアンケート。少子化が叫ばれて久しい昨今ですが、母親や父親どちらか片方に負担を押し付けないのはもちろん、社会全体で子育てを支援していく意識や制度が必要です。

【調査概要】
調査期間:2017年5月26日〜6月2日
調査システム:Questant
回答数:190人
調査対象:子どもがいる全国の20〜50代の既婚男性
回答内容には、子どもの年齢が低かった過去の期間の実績も含める。サンプル数が限定される参考調査として実施。

ウートピ編集部