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元 国税局職員 さんきゅう倉田です。好きな女は、『マルサの女』です。

天皇陛下が退位の意向を示されてからの、それに関する報道は枚挙に暇がありません。先日も「『三種の神器』にかかる贈与税は非課税とする」という報道がありました。天皇陛下が憲法に明記された特殊なお立場であること、歴史的な重要性、売却の非容易性を鑑みると、三種の神器の贈与税はこのまま非課税となるでしょう。

○相続税法におけるこれまでの三種の神器の扱い

なぜ、このことが初めて話題になったかというと、三種の神器は天皇が崩御されたときに、次の天皇に受け継がれていて、相続税法では、それをちゃんと非課税としています。

■相続税法第十二条

次に掲げる財産は、相続税の課税価格に算入しない。

・皇室経済法第七条(皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

条文を読むと脳が焼けそうです。つまり、「三種の神器は、相続しても税金がかからないよ」みたいなことが書いてあります。でも、贈与税のルールの中には、三種の神器が非課税になるような記述がありませんでした。

■相続税と贈与税の違い

・相続税→亡くなって財産が移る

・贈与税→生きてるときに財産を移す

このままでは、三種の神器をもらった次の天皇は、贈与税を払わなければいけない。これは大変だということで、偉い人たちが話し合ったのが今回の報道です。

そもそも、三種の神器とはなんなのでしょう。

■三種の神器

・八咫鏡(やたのかがみ)

・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)

の3つです。覚えて、すぐ言えるとかっこいいです。大将黄猿も自分の技の名前にしていました。元々、三種の神器については、古事記などに記されています。以下、三種の神器について簡単にまとめました。

■三種の神器の発生

・八咫鏡→イシコリドメさん作った

・八尺瓊勾玉→タマノオヤノミコトさんが作った

・天叢雲剣→ヤマタノオロチの尾から出てきた

○なぜ、八咫鏡と八尺瓊勾玉を作ったか

岩戸隠れという伝説があります。天照大神(アマテラスオオミカミ)が「岩戸」という洞窟に引きこもる話です。なぜ、洞窟に引きこもったかというと、天照大神の弟のスサノオがいたずらばかりしていたところ、みんなから苦情がたくさんきた。天照大神は、スサノオをかばっていたけれど、ある日、スサノオが皮を剥いだ馬を家の屋根に穴を開けて落として、家の中にいた女の人がびっくりして、手に持っていた道具が刺さって死んでしまった。諸説ありますが、天照大神は、スサノオにびびったか、あるいは、自らを反省した。

そして、どうしたかというと、洞窟に引きこもった。

神様の中の神様、ゴッドオブゴッドでも引きこもるのであれば、現代日本の引きこもりたちを責めることはできません。でも、みんなと天照大神の違うところは、みんなが引きこもっても、困るのはお母さんとお父さんを中心とした周りの人、天照大神が引きこもると、天界も日本も闇に包まれて世界中が困るのです。これは、とてつもなく困ったということで、八百万の神々が話し合って、八咫鏡と八尺瓊勾玉を作らせました。

何で作ったかと言うと、占いをしたら、作った方がいいみたいになったからです。この占いは、「フトマニ(ふとまに)」と呼ばれ、牡鹿の肩甲骨をうわみず桜の樹皮を炭火にしたもので焼き、の表面の割れ目の模様を見る、という奇々怪々な内容です。現代でこんなことをしていたら、友人は去り、恋人は親が病気だから田舎に帰ると言い、親は信仰宗教に入り、子供は自分より弱い生き物を快楽であやめるでしょう。

そして、神様たちは洞窟の前でおっぱいを出して大笑いして、天照大神が「あれ? なにかあったのかな?」と少し洞窟の扉を開けたところに、八咫鏡を出して、「あなたより立派な神様が現れました」と言ってみました。

八咫鏡に写った自分の顔を、自分より立派な神様だと信じた天照大神は、「よく見えないよ」と言って外に出てきたところを引っ張り出されて、世界は再び明るくなりました。何て純粋な天照大神。八尺瓊勾玉は、その後、木につるして飾りました。めでたしめでたし。

○なぜ、天叢雲剣が出てきたのか

スサノオがヤマタノオロチを退治したときに、尾から出てきました。退治したときに使った剣は十拳剣(とつかのつるぎ)です。山よりでかいオロチを倒すなんて、最強の剣です。贈与したときの価値は計り知れません。

○三種の神器の行方

オロチから出てきた天叢雲剣は、スサノオが天照大神にプレゼントしました。八咫鏡と八尺瓊勾玉も持っていた天照大神は、神様仲間が、天界から日本に行くときに、3つセットでプレゼントしました。

ちなみに、このとき、神様が、天界から日本に降り立ったのを、「天降り(天下り)」と言います。公務員と一緒です。これ以来、三種の神器は、日本にあるのです。

三種の神器が、とてつもなく歴史的に重要なものであり、ばく大な資産価値があることが分かりました。すると、相続税が非課税なことなどと総合的に勘案して、贈与税が非課税になることが妥当になるのです。

○執筆者プロフィール : さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。ツイッターは こちら。