民泊では世界最大手のAirbnb。国内での登録物件数は5万件に迫ろうとしている。

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 住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月9日、参議院で可決され成立した。民泊は住宅の空き部屋に有料で旅行者を泊める事業で、観光客の増加を背景に日本でも急速に存在感を高めている。新法成立を受け、この分野では世界最大手のAirbnbや、STAY JAPANなどを運営する百戦錬磨といった仲介業者は、更なる事業拡大を狙う意志を示した。

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 日本政府観光局によると2016年の訪日外国人数は前年比21.8%増の約2,400万人で、過去最高を更新。政府は成長戦略の1つとして観光立国の実現を目指し、当初2020年までの目標として掲げていた2,000万人の早々の達成を受け、同年までに4000万人とその数を倍増させている。

 こういった背景もあり、アメリカのAirbnbや日本の百戦錬磨といったシェアリングエコノミーというビジネスモデルが勃興。これは人やモノの空き時間を共有し社会の効率化を図るという考えに基づくビジネスで、上記の企業はITを駆使してその仲介サービスを行っている。

 しかし、これまでは旅館業法などの制約により民泊の許可をとるのが難しく、そのため違法な営業が多くあった。厚生労働省が昨年10月から12月に実施した調査では無許可営業が30.6%、許可の有無が不明な物件が52.9%で、営業許可があったのは16.5%。

 さらに近隣住民とのトラブルもあり、法の整備が急務となっていた。新法では実際に旅行者を泊める事業者(ホスト)、不在型における物件管理業者、旅行者を結びつける仲介業者にそれぞれ官公庁への届出や登録義務が課される。

 また年間営業日数180日という制限や宿泊者の名簿作成、衛生管理、トラブル防止のための説明対応、民泊住宅であることを示す標識の設置なども義務付けられた。違反した場合には業務停止命令や罰則といったペナルティが科せられる。

 民泊のパイオニア的存在であるAirbnbは去る3月10日の同法閣議決定時より高い関心と賛意を表明していた。百戦錬磨も同様で、以前から法整備に関する政府の委員会にも参加してきた同社社長・上山康博氏は、違法民泊の撲滅と市場拡大に前向きな姿勢をみせた。

 今後も各社は新たなルールのもと、地域に配慮しながら健全で公正なサービスを提供していくと発表。都市部のみでなく地方へもその活性化のため旅行者を呼びこんでいく構えだ。住宅宿泊事業法は2018年1月、施行予定。