「ありのままの自分」を受け入れてくれる人がいない。でも、結婚したい。

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「ありのままの自分を好きになってくれる人と結婚したいんです」

恋愛相談・婚活相談を受けていると定期的にこのような言葉を耳にします。

そう、この「ありのまま信仰」は男女問わず信仰者がとっても多い。

ありのまま信仰への賛同と批判

「ありのままの自分を好きになってくれる人がいい」という言説についての女性たちの意見を、ざっくりレビューしてみましょう。

批判派の意見はおおむね下記のような感じ。

「ありのままの自分? なにそれ、そんな寝言を言ってる暇があれば女子力を磨けば?」

「男性に選ばれるように努力しないなんて、怠慢なんじゃないの?」

「昔はそう思ってたよ。でもね、やっぱりモテない自分からモテるようになるとねーその努力ってやっぱり必要だったと思う。ありのままの自分じゃダメだったわ」

批判するのは主に、努力によってモテを手にした女性や、恋愛のために女性としての魅力を上げようと努力している女性、です。

彼女たちからすれば、「ありのままでいい」と言われると、自分が努力して手に入れてきたものの価値を認められなかったような気がするのでしょう。その気持ちはよくわかります。

一方で、ありのまま派は「そうやって無理しても続かないんじゃない?」と反論します。

「昔は無理してモテテクとかやってたよ。でも、そういう自分を好きになれないんだよね。だから、やっぱり自然体なのがいいなって」

「昔、超できるコンサル男と付き合ってたときは、彼と釣り合う女にならなきゃって思ってめっちゃ尽くしてた。でも、何をしてても泣き出すようになっちゃってから、やっぱり無理しないと一緒にいられない人はダメだって思った」

「働いた給料の半分を彼氏にわたしてもまだ『足りない』って言われてたから、深夜バイトをかけもちしてたんだよね。そしたら普通に過労で倒れた。やっぱり入院しないと付き合えない男は無理だね。自然体でも一緒にいられる人がいちばん」

これまた大変にヘビーな体験談が出てきて、涙なくしては聞けません。

ありのままの自分=現状維持の自分

さらに、「ありのままの自分を好きになってくれる人がいい」という言葉には、上記以外の意味もまだまだあります。

なかでも根強いのが「いまの自分を変えたくない」「現状維持したい」という意味での「ありのままの自分を好きになってくれる人がいい」。

この意味での「ありのままの自分を好きになってくれる人がいい」は、これまで異性と付き合ったことがないオクテ女子、数年間は彼氏がいないマイペース女子などがよく言う傾向にあります。

そしてこの場合の「ありのままの自分を好きになってほしい」は、「現状を変えない動かない理由づけ」として用いられることが多々あります。

「婚活はちょっとやってみたんですけど...ありのままの自分を受け入れてくれる人がいいなって思うから、やっぱりやめようと思います」

「出会いを求めて動くといった"不自然なこと"はしたくないんです。やっぱり、ありのままの自然な自分がいいです。自然体じゃないとうまくいかないって言うじゃないですか」

「私はとてもマイペースだから、無理ってできないんですよね。だから、ありのままの自分を好きになってくれる人を待ってます」

「ありのままの自分」を受け入れてくれる人がいない。でも、結婚したい。

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「なるほど無理をしたくないっていうのはわかるよ」「しばらくはこのまま様子見だねー」と話しているうちはまだいいのですが、時間が経つと彼女たちは「ありのままの自分を受け入れてくれる人がいない」とグチりだすようになります。

「ありのままの自分を好きになってくれる人がぜんぜん見つからない。なんで? まわりの人たちはみんな、結婚してるのに? なんで私だけ?」

「自然体でいるだけなのに、やっぱりモテとか努力しなくちゃダメなの? 男性の好みに合わせないと結婚できないの?」

「やっぱり男性はわかりやすいモテ女や、媚びる女性が好きなんだね...そこまでして結婚したくないかも」

「ありのままの自分」でいたらさっぱり出会いもなければ告白もされず、結婚もしていない、という現状から目をそむけきれなくなったとき、彼女たちはこのような戸惑い、不安、不信をあらわにします。

この状態のままさらに年齢を重ねると「世のなかの男性はダメなんだ!」と怒りと呪いをまき散らす妖怪女コースへ行く人も出てきます。

「ありのままの自分でいたい」は人によって意味が違う

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「ありのままの自分を好きになる」「ありのままの自分でいよう」など、「ありのままの自分」でいることは「いいこと」だと見なす信仰は根強いです。

「ありのままなんて、そんなことを言ってると男性からは見向きもされない! ありのままなどという甘い考えは捨て、女として努力せよ!」という批判には「別にそんなモテ努力をしなくても結婚してる人はいっぱいいるじゃん」と反論できるため、「ありのままの自分でいよう。それはいいことだし、ありのままで成功した人はたくさんいるし」と安心する人が多いです。

ですが、ここには前提の混同があります。「ありのままの自分」という言葉には、多様な意味が含まれています。

■努力をする・しない=努力をしないのが「ありのまま」

■無理をする・しない=無理をしないのが「ありのまま」

■行動する・しない=行動しないのが「ありのまま」

■自分のいいところも悪いところも受け入れる・受け入れない=自分を好きになる・ならない=自分を受け入れて好きになるのが「ありのまま」

「ありのままなんてぬるい、甘え」派は「努力せよ、行動せよ、変化を受け入れよ、悪いところを変えて自分を好きになれ」というメッセージを出しています。

一方で「無理をしすぎたから自然体がいい、ありのままの自分でいたい」派は「努力しすぎた、無理をするな、自分にダメ出しをしすぎるな、自分を好きになれ」という意味で「ありのままの自分でいたい」と言っています。

どちらの場合も共通するのは、彼女たちはなにかしらの努力なり行動なりをして、変化しようとしている点です。

一方で「ありのままの自分を好きになってくれる人が来るまで待つ」派の人たちは「努力をしない、無理をしない、行動しない、変化を受け入れない」という意味で使っています。

上記の場合と異なり、彼女たちは「現状維持して変わりたくない」、つまり「変化しない」ことを前提としています。

同じ「ありのまま」なのに、「現状を変えるか、変えないか」だけでもこれだけの違いがあります。

「現状維持して変わりたくない」だと結婚生活は難しい

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「現状を変えない"ありのまま"」の場合、結婚にいたるまでのプロセスはおろか、結婚生活はとても難しいものになります。なぜなら結婚とは「変化を受け入れ続けるプロセス」だからです。

性別も育ってきた環境も性格も異なる人間がふたりもいれば、衝突や不満は避けられません。さらに不透明な社会で生きるうえで「変わらざるを得ない」ことはたくさん出てきます。

こうした困難を一緒に乗り越えるには「相手の意見を聞き、必要であれば変わる」という姿勢=「柔軟性」が必須です。

結婚相手を探す段階で「現状を変えたくない」と変化を拒否していると、そもそも結婚相手を探すことが難しくなります。

実際、「ありのままの自分でいたいからムリな行動はしない」と言ってありのまま現状維持のまま数年が経過して「ありのままの自分を受け入れてくれる人が見つからない!」と嘆く女性に何度も遭遇しています。たとえ結婚したとしても「変化したくない」と言っていると衝突が絶えず、お互いに不満を貯めていくことは容易に想像できます。

「現状維持=行動せず変化しない」という選択肢にはこのようなデメリットがあるのですが、デメリットを把握したうえで選んでいる人は少ないように思えます。

くっきりはっきり強調しておきたいのは、「ありのままの自分を好きになる人がいい」「ありのままの自分でいるのがいい」という言葉は「人によって言ってる意味が違う」、ということです。

他者が言った言葉を自分に都合よく切り貼りして「みんなが言ってるから大丈夫★」と放置しておくと、あとから「こんなはずじゃなかったのに!」と爆発して闇落ちするリスクを抱えることになります。

私としては「自分のいいところも悪いところも認める」「無理をしない」という意味では「ありのまま」賛同派ですが、「現状に不満があっても変化しないし行動しない」という意味では「ありのまま」はやめたほうがいいと思います。

願いが叶っていないなら、行動して変化を起こすことはどうしても必要だからです。

なので「ありのままの自分を好きになってくれる人がいい」派の人は、自分が考える「ありのままの自分でいたい」とはどういう意味なのかを、自分の言葉で語ることをおすすめしたいです。

みんなご一緒にー「キラキラ言霊は滅っ★」。

撮影/出川光 文/ぱぷりこ

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