ストレスは「めい想」で解消

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【あさイチ スマートライフ】(NHK)2017年6月6日放送
ストレスに負けない!心のトレーニング

上司から注意されたり、友人と衝突したりすると、「怒らせたかもしれない」「嫌われているかもしれない」と不安が高まり、大きなストレスになる。しかしそれは妄想であり、実際に相手がどう思っているのかはわからない。

マイナスな思考から抜け出せず人間関係に悩んでしまうと自分を客観的に見て、妄想と現実の区別をはっきりさせることが必要だ。思い込みや取り越し苦労などのモヤモヤした思考から抜け出すための簡単なトレーニングを紹介する。

ストレスとは「思い込みの妄想」なり

番組に登場したのは、心療内科医で早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭さんだ。熊野教授は、マインドフルネス(めい想)療法を医学的に研究している日本での第一人者だ。まず、MCの井ノ原快彦キャスター(イノッチ)と番組ゲストの俳優竹中直人と柴田理恵の3人に、日頃どんなストレスを感じているか尋ねた。

竹中直人「尋常じゃない夢を見ますね。死んだ人に会うために契約書を交わす。氷河の中に真っ白な宇宙服を着てみんな横たわっているような感じです」
柴田理恵「夢はないな。夜、オシッコに起きるくらい(笑い)」
イノッチ「夢で稽古場の幕が開いたら、お客さんがこっちを見ている」
熊野教授「ストレスによる妄想があるのかもしれませんね。心のモヤモヤ度をチェックしてみましょう」

熊野教授は、次の5つの中で当てはまるものがいくつあるか尋ねた。

(1)自分の考えが心の悩みの原因になっている 。
(2)考えていることにとらわれすぎていちばんしたいことができない。
(3)自分自身の考えと苦闘する。
(4)特定のことを考えると自分に動揺する 。
(5)よくないとわかっていてもマイナスな考えに執着してしまう。

3人の答えは2〜3。これが4〜5つ当てはまると要注意だ。自分の考えにのみこまれやすく、ストレスを抱えて妄想を抱きやすいタイプだという。かもしれません。

「...と考えた」とつぶやくだけで......

妄想にとらわれそうな時にはどう対処したらよいのか、その方法を熊野教授実演した。

(1)上司に叱られたりして、「オレはサトウ部長に嫌われている」というネガティブな考えにとらわれたら、「魔法の言葉」をつぶやくのだ。それは、ネガティブな考えのあとに「...と考えた」という言葉をつけ足すこと。我に返って一歩離れて考えることができる。「自分が勝手に考えているだけで、現実ではない」ということがはっきりして、気持ちが軽くなる。

(2)次に「オ・レ・は・サ・ト・ウ・ブ・チョ・ウ・に〜」と1音づつ区切りながらゆっくりしゃべる。こうすると、言葉があまり意味を持たなくなり、深刻さが軽くなる。

竹中直人「恨めしや〜、みたいなものですか(笑)」
熊野教授「そのとおりです。それを歌にするのが3番目です」

(3)歌にしてみる。でたらめに歌ってみると心配な気持ちが消えていく。ふだんしないことなので思わず笑えてくる。

竹中直人「(踊りのフリをつけながら)♪〜あ、サトウ部長を怒らせた〜♪〜ホイホイですか(笑)」
熊野教授「そうです。いい調子です。それをさらに、誰か好きなキャラクターに扮して歌ったり、しゃべったりするといいです」
イノッチ「たとえばどんなキャラですか」
熊野教授「ミッキーマウスとか」

(4)キャラクターの声でしゃべる 。「サトウ部長に怒られたニャ〜」など声まねで大げさに言うと、もう悩みなど吹っ飛んでいる。

「音探しストレッチ」で5感を研ぎ澄ます

最後に熊野教授は、よけいなことに気をとられない「音探しストレッチ」を教えた。スタジオに「テレビの音」「電車の音」「犬の鳴き声」「時計の音」「波の音」の5つの音が混じった「騒音」が流れた。どんな音がいくつ聞こえてくるかを数えて、その中からひとつの音を意識して聞くのだ。この練習を続けると不安な気持ちが浮かんでもパッと切り替えられるようになる。

熊野教授「これは通勤電車の中や日常の散歩の最中とか、いつでも練習できます。公園の中を歩いて景色を見て、風を感じながら、鳥の鳴き声などに耳を澄ますと、5感が鍛えられます。公園の中は音があふれているので、音が全部聞き分けられるようになると、現実が見られるようになるのです。現実がわかれば余計なことを考える余地がなくなり、ストレスを感じなくなります」