延長戦の末にベネズエラに0-1で敗戦。U-20日本代表の戦いはベスト16で幕を閉じた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 U-20ワールドカップの決勝戦が6月11日に行なわれ、イングランドが初優勝を飾った。一方、内山監督率いるU-20日本代表は、決勝トーナメント1回戦で延長戦の末に、準優勝のベネズエラに0-1で敗れた。

 日本はいくつかチャンスを作るなど奮闘はしたが、前の試合から中2日で臨んだ影響か、堂安ら中心選手に疲労の色が見えた。実際、延長戦では足が止まった選手も多かったよね。途中出場で流れを変える人材がいなかったのも痛かった。球際での強さ、ゴール前での落ち着きも含め、ベネズエラに劣っていたよ。

 
 今大会を振り返ると、日本は前からプレスをかけられると苦戦した。特にウルグアイ、ベネズエラ戦では、焦りが見られ、プレーが雑になりがちだった。ドリブルが持ち味の堂安や久保も、身体をぶつけられると、かわし切れないシーンが多かったよ。
 
 逆にイタリアのようにゴール前にブロックを敷かれた場合は、余裕でパスを回せた。でも、見方を変えればボールを持たされていただけ。狭いエリアもしくは相手に囲まれた状況でボールをキープし、的確にパスをつなぐ技術が欠けていた。今回突きつけられた課題は日本にとって永遠のテーマである。
 
 また、2-2のドローだったイタリアとの試合について詳しく言及すれば、前半早々に2点を奪われながら、堂安の2ゴールで同点に追いついたところまでは良かった。ただ、2-2の引き分けでも、グループ3位で決勝トーナメントに進める日本は、そこからあまり攻めなかった。
 
 イタリアも2位の座を死守するためにディフェンスを固めた。あそこでもう一押しすれば、日本は勝っていたと思うよ。だからこそ悔しいんだ。結果論だけど、そうすれば、ベネズエラとの対戦は避けられた。まあ、2位通過だと優勝候補のフランスとの対戦だったたわけだが……。
 
 ワールドカップのような世界大会では、しぶとく勝ち上がり、ひとつでも多くの試合を経験することが重要になる。その考え方は間違っていない。でも、引き分け狙いで、勝利にこだわらない姿勢はいかがなものか。

 もし彼らが、2-2のドローで、3位抜けに満足しているのなら、この先の成長は難しいと感じるよ。今後、“勝たなくてはいけない試合”を迎えた時に、イタリア戦のような弱気なメンタリティは足枷になるはずだ。
 
 一方、個々のパフォーマンスに目を移せば、CB中山のプレーが光ったね。ボールを奪えるし、左足での正確なフィードでゲームも作れる。それにどんな状況でも非常に落ち着いていた。相手のプレスを上手くいなし、ひとりだけオーバーエイジ選手のような振る舞いをしていたよ。A代表のCB争いは、6月のシリア戦、イラク戦では、森重がメンバー外になるなど混沌としているだけに、今後は彼にも十分チャンスがあるんじゃないかな。
 
 翻って、注目された久保は、南アフリカとの大会初戦でまずまずのプレーを見せたが、ウルグアイ戦やベネズエラ戦では、厳しいマークに苦しめられた。15歳で身体ができ上がっていないこともあり、バランスを崩されるシーンが目立った。正直、期待したほどの輝きは放てなかったよ。
 
 もっとも、彼に関してはメディアが持ち上げすぎたというエクスキューズもある。テレビはベンチに座る久保を何度も映し、ゴールを奪ったわけじゃないのに、新聞や雑誌も大きく取り上げた。メンタル面も未熟なはずだから、感情のコントロールは難しかったんじゃないかな。その点はメディアも反省するべきだよ。ただ、彼にはこの大会を良い経験にし、さらに逞しくなってもらいたいね。
 
 久保にしても、他のメンバーにしても今後の目標はクラブでレギュラーを掴むことだ。「よくやった」なんて言葉はなんの慰めにもならないよ。東京五輪ではこの世代がチームの中心を担うわけだから、Jリーグで奮起してもらいたい。
 
 と、大会を総括していたら、早速、東京五輪に向けた監督人事のニュースが舞い込んできた。日本代表の手倉森コーチや、ガンバの長谷川監督らが候補に挙がっているという。元々、内山監督は7月に行なわれるU-23アジア選手権の予選までを指揮し、その後は、東京五輪に向けて新監督がバトンを引き継ぐ予定だったようだ。
 
 でも、改めて大会直後に監督人事の話が出てくると「内山監督の下での強化はなんだったの?」と、感じてしまうよ。もし、内山監督が今大会で良い結果を残していたら、どうするつもりだったのかな。
 
 監督が交代すれば、また一からチームを作り直さなくちゃいけないし、選ぶメンバーだって変わってくる。本来ならリオ五輪が終わった直後に後任監督を決めるべきだったが、ここまで引っ張っただけに、準備期間は減ってしまったよ。
 
 そもそも長谷川監督の名前がこのタイミングで出るのも、ガンバに対して失礼な話だ。誰が就任し、どういうチームを目指すのか気になるが、少なからず内山体制からの“継続”を意識してもらいたい。