Doctors Me(ドクターズミー)- 低出生体重児と早産児の違いは?元気な赤ちゃんを生むための予防対策

写真拡大 (全8枚)

生まれてきた赤ちゃんの体重が少ない場合、低出生体重児の可能性があることをご存知でしたでしょうか?

やっとの思いで出産を終えたばかりにも関わらず、ママは赤ちゃんの状態が心配になり気が気ではいられなかと思います。

今回は、低出生体重児の原因と予防法などを、医師に丁寧に解説していただきました。

低出生(しゅっしょう)体重児とは


生まれた時の体重が、それぞれ以下の基準で定められております。

■ 低出生体重児:2500g未満
■ 極小出生体重児:1500g未満
■ 超低出生体重児:1000g未満もしくは妊娠28週未満

早産児や未熟児との違い


早産児


妊娠22週以降37週未満に生まれた子どもで、体重は関係ありません。

未熟児


未熟児という用語は現在新生児医学ではあまり使われていません。未熟児といってもいろいろなので、出生体重と妊娠週数を述べることで未熟さを表します。

もともと未熟児という言葉は、生まれた時の体重が2500g未満である児を指していましたが、体重が小さくても体の機能は比較的成熟していたり、逆に体重だけ大きくても機能が未熟な場合があるため、妊娠37週未満に生まれた場合も未熟児と言われるようになりました。

母子保健法では、「未熟児とは、体の発育が未熟なまま生まれた子で、正常児が生まれた時に持っている機能を獲得するまでの状態」となっています。

低出生体重児が生まれる原因


早産


■ 原因
・絨毛膜羊膜炎
・頸管無力症
・多胎妊娠
・羊水過多症
・前期破水
・妊娠高血圧症行軍
・常位胎盤早期剥離
・全治胎盤
・喫煙

その他、様々な妊娠合併症が考えられます。

子宮内胎児発育遅延(IUGR)


もともと赤ちゃんの発育が平均より遅れている場合を、子宮内胎児発育遅延(IUGR: Intra Uterine Growth Restriction)と言います。

■ 母体側の要因
・胎盤の梗塞や臍帯付着部位の異常
(胎盤やへその緒の血流が悪く、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を送れない)
・前置胎盤
・妊娠高血圧症候群
・心臓や肺の病気
・喫煙

その他様々な母体の病気が考えらえます。

■ 母体側の要因による症状
赤ちゃんの細胞の数は足りているが、細胞が太って大きくなることができないので、頭は比較的正常に近い大きさだが、首から下が小さく、胴体が痩せていることになります。

赤ちゃん自身には育つ力があるので、生まれてから良い環境に置いてあげれば、育つのは比較的簡単です。

■ 赤ちゃん側の要因
・ダウン症などの染色体異常
・トキソプラズマ
・サイトメガロウイルス
・風疹などの感染によるTORCH症候群
・その他先天奇形
・アルコールや薬物の中毒

■ 赤ちゃん側の要因による症状
赤ちゃんの細胞の数自体が乏しく、頭も胴体も全体的に小さくなります。生まれてからもなかなか体重が増えず、問題が生じやすいと言えます。

低出生体重児で見られることがある病気


・呼吸器や呼吸中枢の未熟から起こる無呼吸、肺炎、呼吸窮迫症候群、慢性肺疾患
・血管系の未熟による動脈管開存
・敗血症(全身の感染症)
・脳内出血
・黄疸
・未熟児網膜症
・腸の壊死
・体温調節機能が弱く、高体温・低体温になりやすい
・低血糖
・貧血
・ビタミンK欠乏症

低出生体重児の治療内容


低出生体重児の治療は多くの場合、NICU(新生児集中治療室)で行われます。

保育器での治療


温度や酸素濃度を管理するために保育器に入れ、点滴ライン・血圧計・心電図計を付け、鼻から胃にチューブを通してブドウ糖液やミルクを入れ、栄養を取らせます。

口から飲み込む機能が弱い場合、ミルクが肺に入って誤嚥する可能性があるためです。

検査


超音波検査やレントゲン、血液検査で状態を確認します。

薬の投与


肺が未熟な場合、肺がスムーズに膨らむための潤滑剤(サーファクタント)を投与することがあります。

動脈管開存がある場合、閉じさせる薬を投与します。

手術


すぐに治さないと命に係わる状態(腸が破れたなど)があれば、生後間もなくでも手術を行うことがあります。

低出生体重児を予防するには?


検診


早産を起こさないために検診で頸管長や子宮の張りを確認します。

生活習慣を改善


妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離を予防するために、食事や運動で血圧コントロールを行い、禁煙を守ります。

超音波検査


超音波検査で胎児の発育をチェックし、週数相当の発育があるかを確認します。

最後に医師から一言


早産になりそうな場合や、赤ちゃんのIUGRがある場合は、NICUやGCU(回復治療室。NICUほどのケアは必要ないが、普通病室よりも手厚いケアを必要とする場合に入る)を備えた総合病院に転院して出産することを検討することになります。

(監修:Doctors Me 医師)