お弁当を効率的に冷ます方法

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食べ物が傷みやすくなる時期がやってきた。食中毒の発生は4月頃から増え始め、7〜9月頃に最盛期を迎えるといわれている。特にお弁当はしっかり冷まさないと、食べる時間までに傷んでしまいそうで不安になる。だが、お弁当を作る朝は何かと慌ただしく、暑い時期は特に冷めにくいため、ヤキモキした経験がある人は少なくないだろう。扇風機の風をあてるにしても、海苔やふりかけが飛び散ってしまいそうだ。もっと効率的に早くお弁当を冷ます方法はないのだろうか。そこで、日本分析化学専門学校の副校長である尾崎信源さんに、食中毒対策もあわせ、伺ってみた。

■結局自然冷却が一番?

炊きたてのご飯をそのままお弁当箱に詰めるとき、冷めにくさを痛感するがどうすればいいだろうか。

「一般的に、食中毒菌が繁殖しやすい温度は35℃前後と考えられ、そのまま密閉すると弁当箱の中に発生した湿気(水滴)により菌が増殖しやすくなります。菌の繁殖や増殖を予防するためには人肌よりも少し冷たいなと感じる程度まで冷ますと安心です」(尾崎さん)

では、忙しい朝に早くお弁当を冷ますため、効率的な方法はあるのだろうか。

「扇風機は、上手に風をあてれば確かに早く温度は下がります。しかしご飯やおかずが乾いてしまい美味しくなくなるだけでなく、空中に舞うホコリや菌を逆に風に乗せて送り込んでいるようなもので、お勧めできません」(尾崎さん)

尾崎さんのイチオシは自然に冷ますことだという。

「一番よい方法は自然に冷ますことでしょう。フタの代わりに、水分を吸収できるキッチンペーパーのようなものをお弁当に被せ、お弁当箱とテーブルの間に隙間ができるよう通気性のある台などに乗せておくとよいでしょう。全体的に熱が逃げやすくなり早く冷ますことができます」(尾崎さん)

お弁当箱自体を“浮かせる”とは妙案だ。

「どうしても早く冷ましたい場合は、冷蔵庫に入れてしまいましょう。ただし、冷蔵庫内の温度が上がると、他の食材に影響がでる可能性は否めないため、注意して行う必要があります」(尾崎さん)

自然冷却であら熱を取ってから、冷蔵庫に入れるのがよいようだ。

■食中毒対策に使えるアイテム

お弁当の冷まし方は分かったが、持ち歩く時間や外気温などにより、傷んでしまう可能性があるのではないか。

「食べるまでの保管方法としては、外気温の高い夏季は特に、保冷剤や冷たいものと一緒にクーラーバッグなどに入れて外気の影響を抑えるとよいでしょう。お弁当の温度が上がらないようにすることが重要です。例えば大腸菌は、15〜20分に1回分裂し増殖するため、お弁当を食べるまでの時間が5時間程度とすると、1つの大腸菌が20回程度分裂をして100万個にも増殖する可能性があるのです。増殖を防ぐためには何より温度が上がらないよう気をつける必要があります」(尾崎さん)

菌によって増殖ペースは異なるようだが、その中でも大腸菌が増えるスピードは驚異的だ。

「食中毒菌の増殖を抑える工夫としては、お弁当に梅干しや大葉、ワサビ、ショウガなどを入れることがあげられます。また、ご飯に少量のお酢を混ぜて炊くのもよいですよ。菌の生育を抑えるチューブ入りのワサビをフタの裏に少し付けておくと効果的ですが、最近ではワサビ成分が含まれるお弁当用シートも販売されているので、使用すると便利でしょう」(尾崎さん)

夏季や、お弁当を長時間持ち歩く際などは、ワサビシートを活用、梅干しを乗せた日の丸弁当を自然に冷まし、保冷剤と一緒にクーラーバックに入れて持ち歩くと安心だろう。

尾崎さんからのアドバイスは上記であったが、皆さんはどう思うだろうか。「教えて!goo」では「お弁当のおかずBEST3は?」という質問で皆さんからおススメのお弁当のおかずについて聞いている。気になる方はこちらもチェックしてみては。

●専門家プロフィール:尾崎 信源
日本分析化学専門学校 副校長。大阪「天満橋」にある、日本唯一の化学・バイオの専門学校。卒業と同時に3つの国家資格が取得できる他、実技試験のある唯一の化学分析の国家試験会場にも指定されており、多くの化学・バイオ技術者を輩出している。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)