9日、韓国で100年を超える歴史を誇っていた建物が自治体によって撤去され、問題となっている。写真は仁川港。

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2017年6月9日、韓国・聯合ニュースなどによると、韓国で100年を超える歴史を誇っていた建物が自治体によって撤去され、問題となっている。

5月30日、仁川(インチョン)市内にあった1902年築の近代建築物が、所在の中(チュン)区による駐車場造成のため撤去された。建物の歴史的価値を主張する市民団体が撤去の中断を求めたものの、区は建物が「登録文化財に指定されていない」との理由から撤去を強行した。

近代以降、朝鮮半島有数の港として発展した仁川には、開港期(1876〜1909)や日本統治時代(1910〜45)、またそれ以降の1970年代までに建てられた歴史的価値の高い建物が多数あり、市の昨年の調べではその数は210に上る。しかしこのうち国の史跡、市指定有形文化財、登録文化財に指定された建物は23にすぎず、他は事実上の放置状態が続いている。今回撤去された建物と同様、特に市街地に位置する建物は、自然と都市開発の流れに押され撤去の危機に直面しているのだ。

仁川都市公共性ネットワークなど市民団体は、2015年に115の建物を調べた結果、撤去の危機にひんしたものが3カ所、単に放置されたものが16カ所、誤った改修・補修が施されたものが7カ所あったと明らかにし、市に対して、改めて近代産業文化遺産の調査を行い体系的な保存計画をまとめるよう求めた。

しかし韓国ネットユーザーの反応をみると、こうした市民団体の訴えに同調する声は少ないようだ。記事には「古いからって何でも保存価値があるとは限らない」「建物に特別な意味がない以上、保存する理由はないよ」「この狭い国で、100年以上あるから保存すべきなんてあり得ない」などのコメントが寄せられている。

また、「狭い国土に車は多く、止める場所がないから仕方ない」「日帝の名残だと撤去されたものもあったしね。ただの古い建物は撤去でいいと思う」「昔の建物なんて全部壊してしまえ。いい思い出なんて一つもないし」など撤去賛成の理由を挙げる声もあった。(翻訳・編集/吉金)