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 中国のキャリアウーマンたちが、将来に備え、台湾に行って自分の卵子を凍結保存するケースが増えているという。香港のニュースサイト「東網」が6月5日に報じた。

 中国では経済発展に伴い、若い女性たちが結婚よりも自身のキャリアを大切にするようになり、晩婚化が進んでいる。以前は、30歳を過ぎても結婚していない女性のことを“剰女”(残り物の女性)などとからかっていたが、今ではそれが当たり前となりつつあるため、最近ではあまり聞かれなくなっている。

 とはいえ、1979年に中国で始まった「一人っ子政策」により多くの女性は一人っ子であることから、子孫繁栄を願う両親からの娘に対する「結婚→出産→子孫を残せ」という圧力は日本以上に強い。

 そのため、今はまだ仕事に集中して、時期が来たら体外受精をしてでも出産できるよう、自身の卵子を冷凍保存して、将来の出産に備える女性が増えてきた。卵子も母体の加齢により“老化”するため、体外受精に成功する可能性が低くなってくる。そのため、若いうちに元気な卵子を取り出しておこうというわけである。

 しかし、中国では法律により、独身女性が卵子の冷凍保存のような出産補助治療を受けることは禁じられている。既婚女性でさえ、体に特別な事情がない限り、認められていない。そこで、金銭的に余裕のある女性たちは、海外に行って卵子保存を行うようになっていった。

 上海にある日系企業の駐在員は、近年の状況についてこのように語る。

「海外での卵子保存が広く知られるようになったのは、2013年に女優の徐静蕾(シュー・ジンレイ)がアメリカで卵子の冷凍保存を行ったことを公表してから。以来、アメリカへ向かう中国人女性の数が増加していきましたが、その費用は1万ドル(約110万円)以上と高く、渡航費や現地滞在費も加えると、その金額はさらに増えることになる。よほどの高給取りや裕福な家庭の娘でもない限り、おいそれとできるものではありません」

「東網」によると、そこで中国人女性たちが目をつけたのが台湾。費用がアメリカの3分の1〜4分の1で済み、言葉も通じ、技術的にも高いことから、台湾で施術を受ける中国人女性の数は、この5年で倍増しているのだという。

 医療ツーリズムを成長戦略のひとつとして掲げる日本も、ここはひとつ、中国人女性の“金の卵”を獲得すべきかもしれない。
(文=佐久間賢三)