ゴルフ好きなら「素通りできない」世界一のイングランドコース

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海沿いの地形を生かしたリンクスコースをこよなく愛する筆者。しかし世界には、リンクス以外にも素晴らしいゴルフコースがある。

英国を代表するサニングデール・ゴルフ・クラブでプレイした筆者が感じた、森に囲まれたイングランド・コースならではの魅力を語る。

リンクス愛好家の我々としても、特にヒースロー空港発着の航空便を利用する際などは、「英国一のゴルフコース」と言われるサニングデール・ゴルフ・クラブを素通りすることはできない。ゴルフ好きの読者なら、誰もが深く頷いてくれるだろう。

「36ホールあるゴルフコースとしては世界最高峰」だの「マスターズ・トーナメントの会場であるオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブと並び称される」だの、「人生最後のラウンドをするならサニングデールだ」とまで聞かされては、いてもたってもいられない。

さらに我らが師匠、日本のリンクス研究における第一人者である大塚和則先生が「世界一のゴルフコース設計家」として愛してやまないハリー・コルトが1901年から13年まで書記を務め、設計家への道を歩むきっかけになったゴルフ・クラブとあっては、まさに聖地であろう。

コルトがサニングデールの書記に選ばれた年、応募総数は、なんと435人であったと記録されている。書類選考で12人に絞られ、6人がピカデリー・サーカスでのクラブの夕食会に招待されたあと、5人が面接までこぎつけて、厳正な選考の結果コルトが選ばれたということだ。

すさまじい競争率に見えるが、皮肉屋のイングランド人は「ケンブリッジ大学ゴルフ部キャプテンで弁護士、R&A(英国ゴルフ協会)のメンバーかつ、ゴルフルール委員会のメンバーでもあるコルトが選ばれることは自明であり、他の434人は切手代を損しただけだ」と評するくらい、コルトの名声は既に確立されていたようである。

さて、クラブでは1901年に開設されたオールド・コースが有名で、人気もある。ウィリー・パーク・ジュニアがオリジナルデザインし、ハリー・コルトが監修、修正を加えたとなれば、もう何をか言わんやである。

全英シニアオープンゴルフ選手権をはじめとして、国際トーナメントの舞台となることが多い。26年に開催された全英オープン選手権の予選において、”球聖”ボビー・ジョーンズが33ショット・33パット・アウト33・イン33の「66」というスコアを出し、「完璧なラウンド」として称えられたことでも知られている。

一方で、22年に新設されたニュー・コースも大変魅力的らしい。こちらはコルトとジョン・スタントン・フレミング・モリソンが設計している。バンカーや樹木が少ない代わりに起伏が激しく、プレイヤーの力量と戦略が試される近代的なコースだ。

メンバーいわく「オールド・コースとニュー・コースを比べてどうこう言うのは、サッカーとラグビーを比べるくらいナンセンスだ」とのことである。我々はまだニュー・コースを回れていない。次回の楽しみにとってある。

サニングデールといえば、マツ、ナラ、ギョリュウモドキ、ハリエニシダなどの草木が有名だ。オールド・コースがある場所は、以前はケンブリッジ大学のセント・ジョンズ・カレッジの敷地で、さらにその前は農場だったとあって、ほとんどが草木に覆われている。

そもそもこのクラブは、ゴルフコース建設に適していないと考えられていた丘、草原、森林を切り倒して開かれたと『The Sunningdale Centenary(サニングデールの100年史)』に書かれていた。

この資料では、ウィリー・パーク・ジュニアは冬のイングランドの太陽の位置を意識して設計できていたのか、特に朝の7番ホールと夕方の3番ホールは太陽の低さがプレイに影響しているのではないかといった分析がされていて、大変面白い。また、有名な12番のグリーンは、ハリー・コルトの時代に左側に移されたとの記録もある。