会った途端に意気投合したという水谷&岸部 - 写真:尾藤能暢

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 映画『TAP -THE LAST SHOW-』(6月17日公開)で初監督と主演を務めた水谷豊と、主人公の盟友を演じた岸部一徳は、実生活でも良き友人同士。その縁はドラマ「傷だらけの天使」(1974〜75)から始まり、その後初対面したスペシャルドラマで意気投合したという二人が、互いの印象を語り合った。

 「傷だらけの天使」では、「ザ・タイガース」を解散した岸部はまだ俳優ではなく、音楽で作品に参加していた。「ドラマは毎回、見ていました。ショーケン(萩原健一)も水谷さんも、誰もまねできない芝居をやっているんです。そのころから二人は違っていた。だから、今見ても面白いドラマになっているんですよね」

 そして水谷は、実際に俳優として共演した際の岸部の第一印象を振り返り、「不思議で変な感覚だった」と笑う。「よく言っているんですが、高校1年生の時にタイガースのまねをして、友だちとパンタロンを買いに行ったんです。その人が目の前にいるんですからね」

 会った途端に意気投合したというが、二人にとっては珍しいことのようだ。「何が好きで嫌いとか、気付いたら話が止まらなくなっていた。でもその時、もう一度一緒にやりたいなというより、一緒にやるだろうなという予感がありました」と岸部。

 やがて大ヒットドラマシリーズ「相棒」で共演。「二人の関係を表す、適切な言葉が見つかりません」という水谷は、特別な関係をこう語る。「普段も時間が合えば食事をしたりしますが、そんなことより、カメラの前で芝居をした時に、一緒に共有できる世界があるんです。ストーリーや役が変わっても、一緒の世界に行ける、心の世界でつながり合える。そういう関係って誰とでもなれるわけではありません」

 「一緒の役をずっと演じ続けるより、いろんな役として出会い続けたい」という岸部は今回、新しい役どころでの共演はもとより、監督としての水谷との出会いを、誰よりも喜んだ。「彼は一人の人なんですけど、常に違う人として出会いたいという感覚があります。今回、監督業という新しい要素が増えて、一緒にやれる機会がさらに増えました。今後はまた違うことをやっていきたいです」

 「傷だらけの天使」から「相棒」、そして『TAP -THE LAST SHOW-』へ。二人が綿々と紡いできた友情は、映像からもひしひしと伝わってくる。(取材・文:高山亜紀)