内部昇格より外部から来たCEOのほうが優れている マッキンゼー調査

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 Chief Executive Officerの略であるCEO、日本語では最高経営責任者などと訳される。少し前には新しく響いたこのCEOという言葉も、今では日本でも一般的になってきた。経営の最高責任者であるCEOは株主を中心としたステークホルダーのプレッシャーを受け、成果を出さなければならない。もちろん、成果を残すCEOと残念ながら成果が芳しくないCEOはそれぞれ存在するが、成果を出す優れたCEOは他のCEOたちと何が違うのだろうか。

◆優れたCEOは外部登用に多い?
 経営コンサルティング会社のマッキンゼーが「何がCEOを非凡に優れたものにするのか」と題し、CEOについての調査を発表している。この調査は、2004年から2014年の間のS&P 500 の企業の約600人のCEOのデータを元に分析されているという。

 この調査によると、CEOは内部昇格によってCEOになったケースと、外部からCEOとして招聘されるケースがあるが、調査によると、優れたCEOは外部から招聘された人が多いという。在任中に合計で株主への配当を5倍以上に増やしたCEOを優れたCEOと定義したときに、全体のCEOのうち外部から来たCEOは22%であるのに対し、優れたCEOの場合は45%が外部から雇われたCEOであった。また、内部昇格の優れたCEOは多くの場合、外からの視点を持っているケースが往々にある、と指摘されている。

 優れたCEOの特徴として、就任後の最初2年間は、「戦略の見直し」と「コスト削減」を重視して行うようだ。また、優れたCEOは最初の2年間では組織改編、新しいビジネス・商品の開発、経営陣の改造などには、相対的に消極的だ。そもそもの戦略を見直し目指す方向を確かにし、コスト体質を刷新した上で、コストのかかる組織再編や新ビジネス・新商品の開発といった領域に手をつけるという優先順位の見極めが、一つの優れたCEOの条件のように考えられるだろう。

◆日本における外部招聘CEOの現状とは
 日本のCEOはどうであろうか。日本でもCEOや外部から経営者を招いた例はいくつかある。JALは京セラ会長の稲本和夫氏を迎え経営を再建した。日産もフランスのルノーから来たカルロスゴーン氏がCEOに就任し業績が回復した。また、資生堂、ベネッセHD、サントリーHD、カルビー、リクシルなども外部から経営者を迎えている。

 しかし、社外からの人間が日本企業の経営者になることはいまだ稀である。PwCネットワークの戦略コンサルティングチームStrategy&の調査によれば、2012年から2016年において、日本企業(本社が日本にある企業)の新任CEOのうち社外から登用されたCEOはわずか4%にとどまるという。これに対し同期間の世界平均は23%であり、CEOの約1/4は外部からの人材であった。また2016年における新任のCEOの平均年齢は、世界平均が53歳であるのに対し日本では61歳であり、日本では外国人がCEOになった割合は0%であり、世界平均の13%とは大きく開いている。総じて、日本はCEOを選ぶ際は保守的であるようだ。

 この保守的な態度で、外部的な視点を持った優れたCEOを日本企業は雇えるのだろうか。日本と欧米では働き方や文化も異なるが、経営者が外からの視点を持つことは現代のグローバル経済においてより一層重要になってきていることは確かである。日本企業も内部昇格だけを前提にするのではなく、外部招聘も含めてベストなCEOは誰なのかという視点でCEO選びを考えるべきではなかろうか。