手の角度かぁ… - 高杉真宙

写真拡大

 俳優の高杉真宙が10日、都内で行われた映画『逆光の頃』完成披露上映会に登壇し、「心が折れた」という撮影現場を振り返った。この日は、共演の葵わかな、清水尋也、小林啓一監督も出席した。

 異才のマンガ家・タナカカツキの名作を実写映画化した本作。同級生との別れやケンカ、幼なじみの少女との初恋など、思春期ならではの経験をする高校生・赤田孝豊(高杉)のゆらめきときらめきを、京都の街並みを背景に鮮やかに描き出す。

 高杉は「現地にいる時間が長く、最初は(スタッフから)『観光で来た男の子』と言われていたんですけど、段々京都になじんで、『現地の子になってきたね』と言われたのが印象的でした」と語ると、「尋也や葵さんと京都で青春できて、自分の学生時代とすり替わっているくらい楽しかったです」と爽やかな笑顔を見せた。

 とはいえ、撮影には苦労があったようで、作品に対する愛情やこだわりが強い小林監督から何度も撮り直しを求められたと明かす。「孝豊としてこの作品の中で生きたいと思っていたので、大変な時もあったけどうれしかった」と喜びつつも、「監督の現場では心が折れて帰るというのが何回もありました」と吐露。そして、小林監督を「壁に当てさせてくれる厳しい監督です」と表現した。

 葵も「いい意味でしつこい」と告白すると、青もみじの下を孝豊とみこと(葵)が二人で歩くシーンで、荷物を持つ高杉の手の角度を見た小林監督から「なんか持っているように見えないなぁ」と直しが入ったことを紹介。そのシーンは長回しでの撮影だったため、葵は「せりふとか、歩き方や距離感かなぁと思ったら、そこかぁ」と当時の思いをぶっちゃけ、観客の笑いを誘った。

 それに対して高杉も「あそこは本当に大変だったので強く覚えています。せりふの間やどういう風に言えばナチュラルに見えるかとか、それも含めて一番大変(なシーン)だったので、テンポよくできた時は楽しかったですけど、『手の角度』と言われた時は大変でした」と苦笑いした。

 しかし、そんなキャスト陣の努力が実を結んで完成した本作。小林監督は「皆さんが貪欲にやってくれるので、やりやすかったです。撮る度によくなっていきました」と賛辞を送ると、「1か月くらいで撮る予定が、なんだかんだで2年もかかってしまいました。それだけ一生懸命作った映画なので、1度と言わず2度、3度観ていただけたらうれしいです」と渾身作をアピールした。(取材:錦怜那)

映画『逆光の頃』は7月8日より新宿シネマカリテほか全国順次公開