「エンジン屋」BMWの気概に満ちた7代目5シリーズ[クルマの名鑑vol.9]

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自他ともに認める”エンジン屋”。1916年に航空機用エンジンの製造を目的に創業し、Bayerische Motoren Werke(=バイエルン・エンジン製作所)なる社名を掲げるBMW。ミュンヘンにある本社社屋は、エンジンの主要部品であるシリンダーの形をしている。
 
いまや、メルセデス・ベンツ、アウディと並んで”ジャーマン・スリー”と呼ばれ、押しも押されもせぬラグジュアリー・ブランドであるBMWだが、第二次世界大戦後に同社史上最大の経営難に陥った。連合軍から航空機エンジンの製造を禁じられたのち、モーターサイクルや自動車の製造に舵を切ったものの、順風満帆とは言い難い状況だった。
 
その救世主となった”ノイエ・クラッセ(=ドイツ語で「新しいクラス」の意)”は、エンジンはもちろん、ボディやサスペンションまですべて一新したイノベーティブなモデルであった。さらにその後を継ぐ形で72年に登場し、BMWの再興に多大な貢献をしたのが初代「5シリーズ」である。

”ビッグシックス”とあだ名された2.8L直6エンジンをフロントに搭載し、ロングノーズでショートデッキというスポーティ・サルーンのお手本のようなスタイリングを備えていた。続く2代目からは、スポーティモデルの「M5」が追加されて、アッパーミドルを担うスポーティ・サルーンとしての地位を不動のものにした。
 
初代の登場から半世紀近くが過ぎ、ベールを脱いた7代目「5シリーズ」もまた、これまでの伝統に沿ったスポーティネスを備える。前50:後50の理想的な前後の重量バランスに加えて、100kgものダイエットに成功しており、よりシャープな走りが可能になった。さらに、セミ自動運転の機能が加わっているのも、見逃せない点だ。

常にイノベーティブであろうとする姿勢こそ、BMWらしい気概でもある。

DATA
駆動形式:FR
全長:4945mm
全幅:1870mm
全高:1480mm
最高出力:190ps/4000rpm

最新・自動運転車が示すデジタルネイティブ時代へのBMW流の回答
毎年、年初にラスベガスで開催される世界最大級の家電ショー、CESにて、”Personal CoPilot”なる自動運転機能を搭載したBMWのテスト車への試乗が許された。今回は高速道路限定で運転席に座って両手を離した”フル・ハンズオフ”の状態で、一般の車両に交じって走るという稀有な体験ができた。



BMWではこれまでにも、自動運転によるドリフト走行やサーキット走行など、クルマを操る歓びを重視した自動運転のあり方を模索してきた。

今回のテスト車は、合流やカットインといった困難な状況を走りきり、さらにコネクティビティと自動運転を組み合わせ、魅力を増やそうとしている。例えば、自動運転をしながら、音声コマンドでレストラン予約やアマゾンへの注文ができるのだ。

デジタルネイティブが闊歩する自動運転の時代になっても、イノベーティブなBMWの哲学が揺るぎなく受け継がれていることは間違いない。