8日、韓国・聯合ニュースなどによると、韓国の元慰安婦の女性ら3人がソウル市内で記者会見を開き、文在寅大統領から外相候補に指名されている康京和氏への支持を表明した。写真はソウルにある戦争と女性の人権博物館。

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2017年6月8日、韓国・聯合ニュースなどによると、韓国の元慰安婦の女性ら3人がソウル市内で記者会見を開き、文在寅(ムン・ジェイン)大統領から外相候補に指名されている康京和(カン・ギョンファ)氏への支持を表明した。

女性らは会見で、2015年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意について「10億円で慰安婦のおばあさんたちを売り払ったようなもの」と改めて批判、「私たちが受けるべきはお金ではなく謝罪だ。10億円を(日本に)返し日本の謝罪の念書を受け取ってほしい」と新政権に求めた。また、「康候補が私たちの問題を解決してくれると約束した」として、康氏に新外相になってもらいたいと述べた。こうした発言について、元慰安婦らが共同生活を送る「ナヌムの家」の安信権(アン・シングォン)所長は「おばあさんたちが康候補を絶対的に支持するという意味だ」と説明、「政治的気質も重要だが、人権(問題)専門家である康候補の専門性をもって判断してほしい」と述べた。

康氏をめぐっては、外交部長官候補に指名されて以降、脱税や論文盗作、娘の偽装転入(実際に住んでいない場所を住所として届けること)など身辺の個人的な疑惑が続々と持ち上がっている。そのため7日の国会人事聴聞会も午前10時から深夜まで14時間近くに及ぶなど、もめにもめた。閣僚候補として窮地に陥ってしまった康氏をなんとか救おうと、元慰安婦らが公に支持を表明した形だ。

康氏擁護の声は、旧知の元議員からも上がっている。東亜日報によると、元国会議員の田麗玉(チョン・ヨオク)氏は8日、自身のフェイスブックに「康京和候補がうそつきではないという事実をしっかりと言っておきたい」とつづり、脱税などの疑いを厳しく追及する野党に反論した。康氏がKBS放送のアナウンサー時代に同僚記者として勤務した経験を持つ田氏はまた、「最善を尽くし、苦労を重ね生きてきた女性がうそつきとまで言われてしまい胸が痛む」としている。

世論の受け止めはどうか。9日付の韓国日報によると、同紙の世論調査で「康氏が(外相にふさわしい)資質・道徳性を持ち合わせていない」とした回答者は全体の38.9%、肯定的な回答(32.9%)を上回った。否定的な回答の割合は、同じく人事聴聞会で検証を受けている政府要職候補4人のうち最も高いという。

しかし一方で「熱狂的な支持者」も少なくないとみられ、康氏を「不適格」とし人事聴聞報告書の採択に反対を表明した野党「国民の党」のホームページや公式SNSが、ネットユーザーの抗議でまひ状態に陥る騒動も起こっている。

国会での報告書採択は他野党の反対もあり現在困難な状況だが、外相人事については国会承認が必ずしも必要ではなく、最終的には大統領による任命が可能だという。(編集/吉金)