【REPORT】ハードに、アコースティックに。多彩に魅せるFTISLAND!デビュー10周年記念ライブは20周年に向けての第一歩

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今年、本国デビュー10周年を迎える韓国のロックバンド、FTISLAND。彼らが4月に7枚目の日本盤アルバム『UNITED SHADOWS』をリリース。それを引っ提げ、5月12日から6月2日にかけ、名古屋、大阪、東京の三都市で「FTISLAND Arena Tour 2017 - UNITED SHADOWS -」を行った。では6月2日、東京公演(会場:日本武道館) の模様をレポート!

自由な雰囲気が支配したロックな空間

10周年を記念した本公演はもちろん『UNITED SHADOWS』のタイトル曲「Shadows」で幕開けだ。ボーカルのイ・ホンギは「行くぞ〜」と声を発し、モニターボックスに足をかけながら、重心を落として歌い込む。重量感のあるサウンドがフロアを激しく襲い、立ち上がる炎が会場を更に熱くさせ、バックに設置されたモニター画面の映像をも揺らす。この1曲で、激しく、楽しく、そしてストレートに、がこの日の柱として大きく打ち出される。

「All right, Say Freedom」というシャウトから始まった「FREEDOM」ではステージが赤〜ピンクに染まり、ホンギの煽りでフロアもジャンプ。彼がマイクを客席に向ければ、ファンも「FREEDOM」と声を揃え、思いっきりジャンプしながら“自由”を表現。ファンは一気に自分を解放し、FTISLANDの音楽に身を委ねていく。そして途中、ホンギが「Sit down right now」と話して一度モニターボックスに腰を掛け、「OK」の合図で再び立ち上がってジャンプすれば、それは体感比2倍! 会場は一層フリーダムな雰囲気に満ち、館内の温度も2倍に急上昇!

“自由”というテーマは続く「BEAT IT」でも継続され、館内はアーティストとファンとが放出するエネルギーでますますホットになる。手拍子をとり、タオルを回してジャンプし、ホンギの歌に「ハイ、ハイ」とレスポンスするファンたち。「LET'S BEAT IT」という歌の後、一拍置いて、力強く手を前後に揺らす熱きファンに、ホンギは花道前方に出て、一礼で応えた。

ハイテンションな雰囲気はそのままに「PUPPY」ではラブリーな雰囲気をプラス。ホンギはラップ調のボーカルワークも見せ、「Everybody show me your dance」とシャウトすれば、フロアのダンスタイムがスタートだ。ソン・スンヒョンも両手と雄叫びを上げてフロアを煽り、さらにホンギが「Ready?」と問いかければ、ファンは再びジャンプ。武道館はオープニングから揺れっぱなしだった。

MCタイムはホンギの「武道館、いらっしゃいませ〜」の一言から。「暑くねぇ〜? エアコンが壊れてるんだなぁと思ったよ。皆のテンションが高すぎる!」とフロアを和ませつつ、腰をかがめて「知ってる曲はちゃんと歌ってくれよ! お願いします」と丁寧に挨拶。そしてスンヒョンに対し「今日は(衣装が) パジャマだな」と突っ込むと、彼は「今が僕の夢だから」とナイスな切り返し。今度は逆にスンヒョンがアロハ風のホンギに「ハワイでしょ」と突っ込めば、「髪の毛の色も変えて、切ったし。行くしかないし!」と話し、ホンギの一言一言に客席からは熱いレスポンスが起きる。

ユーモラスなトークの後は、ハードな「BE FREE」でリスタート。「行くぞ、声、出してくれ」という掛け声からスピーディーに展開し、「Are you ready」の声でフロアは右手を突き出す。最初から最後まで熱いポジティブソングを歌いながら、ホンギは「もっと自由になりたいか? 俺もめっちゃ自由になりたい。このところ自分自身を忘れててさ、皆の力で、メンバーの力で、まわりの人の力で、やっと自分自身を分かってきた。だから、これからもこのまま走っていくから、よろしくお願いします!」とナマのメッセージを肉声で伝え、その後「Let's go」と声をかけてロック街道をまっしぐら。イ・ホンギとイ・ジェジンのツインボーカルで魅せる「シアワセオリー」は失恋ソングだが、パフォーマンスは熱い。ホンギは「咲き誇れ」と歌った後に、自身の体をくるりと一回転。彼が頭上で大きく手拍子をとれば、ファンも同じく手拍子をとる。

前半のラストはジェジンのボーカルからスタートする「To The Light」。ホンギはアクティブな動きをセーブし、じっくりと歌い込んでいく。『UNITED SHADOWS』のテーマは“5人の人生の光と影”で、光がテーマの「To The Light」はこのアルバム収録曲ではないが、本公演の読点を打つにはピッタリ。ホンギは両手を高く掲げ、その後、大きく広げるのだが、その姿は指揮者か司祭のよう。時計の針が時を刻む音と共に歌い終えると、館内は歓声と拍手に包まれた。

ここまで熱く突っ走ってきたステージング。「止まる必要はないな」と話すホンギに対し、チェ・ジョンフンは「一旦、止まろ」とストップをかける。そして彼は「1年前はスンちゃん(スンヒョン) がここで『蕎麦ソング』を歌ったね」と振り返り、スンヒョンは「今日も食べたのは蕎麦で〜〜」と弾き語りで「蕎麦ソング」を生歌披露。が、歌詞がおぼろげで、ジェジンが助け舟を出してレクチャー実演。スンヒョンは「俺より知っている」と笑わせ、ジェジンは「今日も蕎麦、明日も蕎麦〜〜」と歌った。

ネバー・ストッピンなステージで熱唱

後半の幕開けももちろん新曲から。ホンギは「ノリノリで行ってみよう」と話せば、それはパーティー再開の合図だ。歌うは「Champagne」で彼は「新曲、皆、知ってんのかな?」と問いかけるが、当然、全員予習済み。バックにはゴールドに煌めくシャンパンがスパークリングし、ステージもフロアもゴールドに輝く。ファンは「イェ、イェ、イェ」とコールし、ホンギは「もっと大きい声」と煽ると、反応良すぎなフロアに目をやり、ニッコリ。さらに、自分でビデオを回してステージを楽しみ、彼の「カモン」「Here we go」の呼びかけでフロアはまたも大きくジャンプ。モニターには星が映し出され、全員がラグジュアリーなパーティーをエンジョイした。

バックの映像は星からハートマークにチェンジし、歌はロマンチックな「COME ON GIRL」へ。ジョンフンはセクシーに体を揺らしながらギターを演奏し、ホンギは胸を叩きながら誇らしげに「Shining day」と歌う。また、彼は「Sing it!」と呼びかけてファンの「Oh Oh Oh〜〜」という大合唱を誘い、ジョンフンは終盤、手を上げて踊りながら声を合わせた。

そしてここで一気に2010年にプレイバック。「いいのか〜」と吠えながらスタートした「Flower Rock」は日本でのメジャーデビュー曲。掻き鳴らすツインギターとホンギのシャウトは若さと疾走感に満ち、ジョンフンがスンヒョンのギターを二人羽織的にプレイするシーンもユーモラスな見せ場。ホンギは「この曲で飛んでみよう」と話し「Are you ready? Everybody!」の合図でファンは一斉にジャンプ。すると、全く同じタイミングで銀テープが発射され、ホンギはハングルース・サインでフロアを沸かせた。

「ちょっと深呼吸しよ。この曲をやるにはちょっとだけ時間が欲しい」と話した後の「Falling Star」では全員がステージ上をところ狭しと駆け巡り、途中、ホンギとスンヒョンが追いかけっこをするようなシーンも。ホンギは「皆、疲れてるの? 大丈夫」と気遣いながらも、また走り、最後は「俺らの夏のライブってさ、いつも、走って、また走って、ちょっと休んで、また走って、という感じだよね。皆は1.5キロくらい痩せてる。俺は3キロ痩せてると思う」と笑わせた。

アコースティック・セットでストーリー・テラーに変身

パッション溢れるステージングの後は、ちょっと雰囲気を変えて。メンバーは花道を歩いてセンターステージに向かい、ドラムのチェ・ミンファンは「たまに前に出ると恥ずかしい」とポツリ。5人は3曲をアコースティック・セットで歌い、「オレンジ色の空から降りて、ジャングルの森に行って、そのまま海に行って、魚と遊ぶ」という一つのストーリーを紡ぐ。同時にホンギは「正直に言うと、今のタイミングが休めるところ」とニヤリ。すぐさま「でも、雰囲気と歌は休まない」と続け、いよいよスペシャルセットがスタートだ。

ミンファンはシェイカーを手にし、ホンギ&ジェジンのツインボーカルで演じるのは「Orange Days」。ジェジンはタンバリンも演じ、続く「A light in the forest」ではミンファンがカホンをプレイ。フュージョン・ジャズのような柔らかなタッチが温かい。そして最後の「FISH」はタンバリンを手にしたミンファンからマイクリレーが始まり、メンバーがじっくりとした歌で魅せていく。さらに終盤、メンバーは立ち上がり、メインステージへ。その後、再びハードなロックに転じ、「FISH」でボーカルパートのなかったジョンフンのギターが咆哮を上げ、このコーナーが終了。ホンギは「あ〜〜、気持ち良かった〜〜。花道で皆さんと友達のように遊びながら歌う感じを作りたかったんだ。こういう雰囲気が一番大好き。格好付けるのがムズいっ」と締めた。

スペシャルステージの後は「充電100%です」と宣言し、再びロックなステージへ移る。「ゆっくり行ってみようか」との問いかけからスタートした「YOU DON'T KNOW WHO I AM」はハードな演奏も織り込み、「未体験Future」は煽り要らずでファンがジャンプ。ホンギは「行くぞ」と声をかけ体を回転させながらジャンプする。その後、「All right, Are you ready for this? 武道館、大きい声を出してみよう」とスタートした「Take Me Now」はエレクトロな爆音ロックで、エフェクト処理されたボーカルが不穏な空気を醸す。そしてヘヴィに転じ、轟音の洪水がFTISLANDのハードな面を見せつけた。
本編ラストも新曲からチョイス。赤く染まったステージで歌う「1234」の終盤では5人にスポットライトがあたり、ファンが「ウォ〜、ウォ〜」と合唱する中、ホンギが両手を広げて、厳かなエンディングを迎えた。

アンコールも新曲からスタート。無数の輝く星をバックに歌った「REASON」はブリットタッチで、ブルーな演出で歌う「AQUA」は再びエネルギッシュに。アグレッシブかつポジティブに歌う「アイデンティティ」ではメンバーの姿勢を代弁するかのように炎が立ち上がり、フィナーレに向け、会場をホットにしていく。そして最後の「Here」では終始、フロアの手が左右に揺れ、ホンギが「ありがとう、今日もやっぱり最高だった」と挨拶。その後全員で手を繋いで一礼し、舞台の両袖まで行ってまた挨拶。ダブルアンコールのリクエストに応え、ホンギは6月7日発売のデビュー10周年記念アルバム『OVER 10 YEARS』から新曲をアカペラで先行披露し、ファンを喜ばせた。
そして名残を惜しむ客席に向けて最後はジェジンが! 発声練習をした後に、武道館級の声で「みんな、ありがとう」と挨拶し、心の通った生の声がファンを再度喜ばせていた。

新しい俺らと新しい10年をまた作ろう

韓国ではデビュー10周年と区切りの年を迎えるFTISLAND。終盤、ホンギがバンドを代表し、こうメッセージを伝えた。

「韓国ではデビュー10周年だし、日本でも7周年。まだ若いのに、けっこう走って来たなと思っています。時間もめちゃ早く過ぎたと思っています。いろんなことがありすぎたけど、10周年を迎えて一度ゼロにし、新しい俺らと新しい10年をまた作ろうって話しています。ケンカしたり、僕らのやりたい音楽をやってみたりしてきたけど、これからはもうちょっと責任感を持って、気持ちよく行ってみようかなと思っています。本当だよ!」

つまり、このツアーは新たなディケイド、デビュー20周年に向けての第一歩。彼は「僕らの気持ちは、今日の曲の歌詞に入ってるんで、それ以上は言いません」と短く語り、注釈を加えて屋上屋を架すようなことはしない。気持ちは歌に込め、熱く表現する姿勢こそがまさにロック。FTISLANDはそれを抜群のフロア掌握力で演じ、ファンに深い感動と興奮をプレゼントしていた。

ライター:きむ・たく

FTISLAND Arena Tour 2017 - UNITED SHADOWS -
日時:2017年6月2日(金) 17:30開場 / 18:30開演
会場:日本武道館

【セットリスト】
01. Shadows
02. FREEDOM
03. BEAT IT
04. PUPPY
05. BE FREE
06. シアワセオリー
07. To The Light
08. Champagne
09. COME ON GIRL
10. Flower Rock
11. Falling Star
12. Orange Days
13. A light in the forest
14. FISH
15. YOU DON'T KNOW WHO I AM
16. 未体験 Future
17. Take Me Now
18. 1234
<ENCORE>
01. REASON
02. AQUA
03. アイデンティティ
04. Here

FTISLANDオフィシャルサイト:http://FTISLAND-official.jp/