お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、矢野さおりさん(仮名・IT関連会社勤務・29歳)からの質問です。

「今、お付き合いしている彼と結婚したいと思っています。ただ、相手が“お金がないから”と渋っていて……。現状、いくら貯金があれば、結婚できるのでしょうか。そろそろボーナスの時期でもあるので、使い道を考えたいと思っています」

 さっそく森井じゅんさんに伺ってみましょう。

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結婚資金の準備はどれくらいできていますか?

会社勤めの方にとっては、嬉しいボーナスの時期が近づいてきました。何に使うかワクワクしている人も多いのでは。頑張った自分へのご褒美として買いたいものがある、でも貯金もしたい……悩んでしまいますね。

相談者さんは、結婚を視野に入れているんですね。結婚したら、自分のお金も自由に使えなくなるかも。だから、独身時代はパーっと使ってしまおう! なんて早まらないでください。

一般的に「結婚」は入籍だけを意味するわけではありません。結婚は本人だけでなくそれぞれの家族を巻き込む一大イベント。通常、様々なお金がかかります。結婚資金の準備はどれくらいできていますか? お金が貯まっていないばかりに、夢に見ていた結婚式や披露宴も叶わなくなってしまうかもしれません。

新生活までに必要な結婚資金は約600万円

それでは、結婚にどれくらい費用がかかるのか見てみましょう。
結婚と言ってイメージするのはまず挙式・披露宴でしょう。挙式披露宴の費用項目のうち、大きな割合を占めるのが、披露宴の料理・飲物費用です。そして、新婦の衣装や結婚指輪、引き出物などの費用に加え、花や写真やビデオ撮影その他もろもろです。それらの費用は、平均で350万円から400万円程度と言われています。

どんな項目に費用を掛けるかは、地域によって、また個々の家庭の習慣などにより、かなりの差があります。後々のトラブルを避けるためにも、自分の両親やお相手のご両親に相談するという形で、考え方を聞いておくとよいでしょう。

また、挙式・披露宴に至るまでに、相手のご両親への挨拶と両家顔合わせに結納、婚約指輪などの費用が掛かります。挙式・披露宴を終えたら新婚旅行に行くケースが多く、新婚旅行土産も出費項目です。と、ここまでで、結婚に必要な費用は450万円程度が想定されます。

その他に、2人の新居の契約と引っ越し費用になります。新居のためには、賃貸であれば敷金や礼金や前家賃、火災保険などのお金が必要となり、引っ越し代や家具・家電を購入するのであれば150万円くらいはみておく必要があります。

つまり、新生活に必要な費用まで含めると、必要な結婚資金は約600万円となります。

2人で準備しておきたい金額は350万円?

一般的に、ご祝儀という形でいただけるものが平均で250万円程度と言われています。これを考慮すると、2人で準備しておく金額は350万円程度という計算に。

と、ここまでは平均的な話です。ご祝儀や親の援助を当てにして新婚生活の家計が苦しくならないよう、結婚資金は2人で貯めるという意識をもってください。

結婚資金の準備で一番大事なことは、2人できちんとお金の話をすることです。お互いに、どれくらい準備するのか、今現在、結婚資金としてどれくらい貯まっているのか、しっかり情報共有することが大切です。2人で目標額を決めて楽しく資金準備をしてください。1人より2人のほうが、資金を早く貯めることができます。
目標額と目標スケジュールから、今回のボーナスからどれくらい結婚資金用の貯金すればいいのか がわかりますね。

350万円なんて貯められない!という人は……

結婚資金そのものをコンパクトにする方法

お給料は上がらないし、結婚資金なんてなかなか貯まらない、というケースもあるでしょう。お金がないから結婚しない、できないというわけではありません。
そういう場合には、一般的な招待制の披露宴ではなく、会費制披露宴にするなど、結婚費用の節約を考えるのもいいでしょう。

また、結納を省略したり、披露宴や新婚旅行はしないなどといった節約も選択肢です。そういった選択肢を考える場合でも、資金の状況に合わせて優先したいところをしっかり話し合っていくことが大事です。

しかし、これは本人達だけの問題ではなく、両家の問題でもあります。なかなか優先順位に理解を得るのが難しいこともあります。結婚費用のことで義両親と価値観が異なり、関係性がギクシャクしてしまうことも。自身が譲れるところ、譲れないところをはっきり認識し、周囲の人々と理解を深めていくことが重要です。

貯める前にすべきこともある

結婚を視野に入れたボーナスの付き合い方、ということで結婚費用を中心にお話ししてきました。ところで、ボーナス払いにしてしまっている買い物などはありませんか? 貯金も大事ですが、借金などがある場合には、返済を優先すべきケースが多いです。

ボーナスをふたりの結婚資金にまわす前に、自分自身がお金を使わなければいけないところ、先に清算しておかなければいけないことがないか、まずは確認してくださいね。

今やナシ婚を選ぶカップルは2組に1組と言われていますか、親族だけのお食事会や、授かり婚で出産後に改めて挙式したというカップルはカウントされておらず、実際は、全体の80%程度は「挙式」「披露宴」をしている計算になるんだとか。



■賢人のまとめ
結婚が決まってから新生活までに必要な額は、一般的に600万円程度と言われています。ご祝儀でいただける分を差し引くとすれば、結婚資金はふたりで350万円程度あると安心。2人の現状と、どのくらいの期間で貯められるか、具体的にきちんと話し合ってみることが大切です。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。