BOMIの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』評:ベビー・グルートは真似したくなるかわいさ

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 BOMIが新作映画を語る連載「えいがのじかん」。第6回となる今回は、マーベル・スタジオが贈るマーベル・シネマティック・ユニバース最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』をピックアップ。普段はあまりアクション映画やアメコミ映画を観ないというBOMIは、“音楽”が大事な要素でもある本作をどのように観たのかーー。(編集部)

参考:BOMIの『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』評:東京に生きていることを少し愛せるようになる

 私、普段はマーベル映画やアメコミ映画はあまり観ないんです。だけど「かわいいアライグマが銃ぶっ放してる面白そうな映画があるよ!」と友達から教えてもらって観たのが、前作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でした。そしたらアライグマが本当に銃をぶっ放しまくっていて(笑)、すごく面白かったんですよね。でも続編がある映画って大抵2作目がダメな場合も多いので、最初はどうなのかな……と思っていたのですが、結果的には「2」の成功例でしたね。むしろ「1」より良かったのでは?(笑)

 ストーリーはもう非の打ち所のない内容でした。退屈することが一切ない。小笑いと皮肉がふんだんに盛り込まれたひねくれた感じがありながらも、“家族”の話に着地するという腕さばき、見事さ。それを非常にわかりやすく提示しているのが素晴らしいと思いました。血が繋がっていようがいまいが親子には関係ないという意味では、この前取り上げた『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』に共通する部分がありますね。

 あとはやっぱりキャラクターのインパクトがスゴい。ベビー・グルートがめちゃくちゃかわいいんですよ。前作ではロケットが見た目的にかわいいキャラでしたが、今回は圧倒的にベビー・グルート。あんなに愛くるしい感じのキャラクターってなかなかいないんじゃないかな。一言しか使えないのに、それで会話が成立しているのとか、ちょっと引きで見たら大爆笑ものだし、幼心がくすぐられて、どうしたって真似したくなっちゃいます。「グルートォー?」って。(笑)ドラックスも見た目とのギャップがありすぎるお馬鹿加減に笑えるし、これだけ被らずにうまいこと個々のキャラクターを引き立てることができるのは相当スゴいことなんじゃないでしょうか。最後にグルートが思春期の中高校生みたいになっていたのも爆笑でした。でも今回の作品でベビー・グルート人気が爆発しちゃったから、また誰かと戦って切られちゃって、小さくなったりするかもしれませんね(笑)。

 キャラクターに関して言うと、今作は特にマイケル・ルーカー演じるヨンドゥは外せませんよね。『ミシシッピー・バーニング』や最近だと『ウォーキング・デッド』など、基本悪役で生きてきた彼が、今回悪役にも関わらずめちゃくちゃいい役柄になっていたのも感動でした。前作では本心がわからないような感じでしたけど、今回その謎が解けてスッキリしましたね。でも前作の段階からすべて計算されていたんですかね……。だとしたらものすごく手の込んだ伏線の回収の仕方です。

 音楽も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』には欠かせない要素のひとつ。前作に引き続き、今作も”エレクトリック・ライト・オーケストラ”や”フリートウッド・マック”など音楽のチョイスがすごくよかったですね。こういうジャンルの映画で、主人公が70年代〜80年代の音楽をカセットテープで聞いているという前作のアイデアはものすごく革新的でした。前作が公開された2014年って、日本でもカセットテープブームが再びやってきた時期で、この作品の影響でさらにそのブームが加速した印象でした。今作もその流れを踏襲しながら、最後にはカセットテープからの“進化”も描かれている。そこはカセットテープのままがよかった気もしなくもないですが(笑)、あえて外している感じも観ていて楽しかったです。

 音楽を無理矢理作品に入れようとすると失敗することも結構ありますが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズはその点、大成功。サントラも絶対欲しくなる内容で。最近は『ラ・ラ・ランド』や『SING/シング』、『美女と野獣』、『ワイルド・スピード』などサントラがヒットする作品も多いですよね。日本の作品ではあまり思い当たる例がないように思いますが、映画の中に歌をどんどん入れて、歌と映画が同時にヒットするという流れも結構あって、それは、コンテンツビジネスとしての機能を失いつつある「音楽」の、これからの未来のひとつの活路だなと感じます。

 あと、エンドロールも面白かった! エンドロールとあわせて映像が出てくるやつ、私、昔っから大好きなんです。ジャッキー・チェンのアクション・シーンのNG集とか(笑)。作品の世界観を壊さずに最後まで楽しむことができるのも、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ならではだなと。これを機にマーベル作品をもっと観てみたくなる映画でした。(BOMI)