日本海を漂流中に韓国当局に救助された北朝鮮船員3人のうち、2人が亡命を希望していることが明らかになった。

機関士と2人の船員の計3人の男性は、重さ2〜3トン、長さ9メートルの小型漁船に乗って北朝鮮・咸鏡南道(ハムギョンナムド)の新浦(シンポ)港を出港したが、燃料不足と悪天候で漂流した末、3日に韓国の海洋警察に救助された。

統一省の関係者によると、このうち機関士を除く50代と20代の男性2人は父親と息子で、救助された直後に亡命の意思を示していたが、取り調べでにおいても改めて亡命を希望した。そのため韓国政府は、人道的観点と従来の慣例に従い、本人の意思を尊重して受け入れを決めた。

一方、機関士は北朝鮮への帰国を希望している。統一省関係者によると、機関士も20代男性も事情を全く把握しておらず、今回の件は50代男性が単独で脱北を計画したものと思われる。

また、この船が救助された前日(2日)に、別の船に乗っていて韓国海軍に救助された北朝鮮の船員1人も、北朝鮮への帰国を希望している。

統一省は8日午後に、国連軍司令部軍事停戦委員会の協力を得て、北朝鮮に「2人は亡命し、2人は送り返す」ことを肉声で伝え、2人については9日にも海上で北朝鮮側に引き渡す方針だ。

船は、修理が不可能なほど破損しているため、船員の同意を得て廃棄処分することになった。

今回の事案に対して、北朝鮮は今のところ反応を示していないが、激しく反発する可能性が高い。北朝鮮のミサイル発射実験や核実験に対しては強い姿勢を示しつつも、民間交流は進めたい方針の文在寅政権にとって、悪材料になる可能性がある。

北朝鮮は2015年7月、日本海上で韓国の海洋警察に救助された北朝鮮の船員5人のうち、3人が亡命したことに対して、抑留であると主張し、送り返すことを強く要求した。

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