驚異の二層式「ゴーヤーちゃんぷる〜」

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■驚異の二層式 ゴーヤーちゃんぷる〜大詳解!

えっ! これがゴーヤーちゃんぷる〜? と写真を見て驚く方が多いことでしょう。よく見る姿とは違うけれど、そうです! これは誰でもつくれる、目からウロコのおいしいゴーヤーちゃんぷる〜なのです。

構成要素はゴーヤー、豆腐、卵、鰹節と、いたって普通。ポーク(ランチョンミート)も豚肉も入れず、味つけは塩のみ……と超シンプル。でもビックリなのは、このちゃんぷる〜が「ゴーヤー&卵の黄身」「豆腐&卵の白身」という二層構造になっていることです。そのほか、ゴーヤーは見慣れたアーチ形でなく短冊形、豆腐はちぎらず包丁で切る……など、これまでの常識をくつがえす点がいろいろあります。

食べてみると、焼いた豆腐の香ばしさ、ゴーヤーのシャクシャクした歯切れよさと爽快な苦味、卵のふくよかな包容力が一挙に押し寄せて、新しいちゃんぷる〜ワールドを発見するはず! 二層の間にサンドした鰹節クンが、実にいい仕事をしてくれています。肉ナシだって物足りなさはまったくありません。クリアでシンプルな味だから、毎日だって飽きません。そして、弱火で焼くこのレシピなら、中華鍋や強火、勢いよく鍋を返す“腕”もまったく必要ありません。

ハイサイ♪ ハイタイ♪ 思わず踊り出したくなっちゃうような、いいことずくめの幸せレシピ、この夏ぜひお試しください。

■ゴーヤーちゃんぷる〜のつくり方

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●材料(1〜2人分)
ゴーヤー 2分の1本/豆腐 2分の1〜1丁/卵 2個/塩 少々/鰹の削り節 適宜/サラダ油 適宜

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▼まずは下ごしらえ

<豆腐>

(1)豆腐は、水きりしておく。写真のような漬物容器を使えば簡単だが、適当な重石をのせて水をきってもいい。
(2)水きり加減はお好みで。左が買ってきたままの豆腐、右が今回ちゃんぷる〜用に水きりした豆腐。高さが4分の3ほどになった。
(3)豆腐を食べやすい大きさに切り、さらに厚みを半分にする。写真のもので、厚さ1.5cm程度。四角く切ることで均等に火が入り、焦げ目もきれいにつく。

*沖縄は全国1位の豆腐消費県。島豆腐は元来、海水の苦汁(にがり)で固め、がっちり詰まって重みがある。凝固剤を使うものでも、塩味はつけている場合が多い。水気が少ない島豆腐はそのまま炒め物に使えるが、普通の豆腐を使う場合は、水きりをして使おう。

<ゴーヤー>

(1)ゴーヤーは幅5cm程度の筒切りにする。
(2)バターナイフの柄の部分を使って、ぐるりと一周回し、真ん中の白くふわふわしたワタと種を取る。
(3)(2)の方法が難しい人は、1を縦に4等分して、ワタと種を切り落とす。これならカンタン。
(4)幅1.5〜2cm程度の短冊に切り、残った白い部分をギリギリまで切り落とす。これで、おいしい部分だけが残り、歯ざわりもシャッキリする。

*沖縄野菜の代表格。最近は九州産のものも多く出回り、また涼を求めて自宅栽培の「ゴーヤーカーテン」にトライしている人もいるのでは? ゴーヤーの魅力はなんといっても爽やかな苦味。ビタミンCを多く含み、疲労回復、整腸、夏バテ防止に効果があるとされる。

<卵>

(1)ボウルに卵2個と塩0.5mlを入れる。
(2)卵を箸で溶く。白身と黄身を使い分けるので、あまり混ぜすぎず、写真程度の混ぜ具合に。

*ちゃんぷる〜や麸イリチー、ポーク卵など、沖縄の惣菜に使われることの多い卵。にんじん食堂では卵に入れる塩は、卵4個に対して1ml(約1g)と決めている。1mlの計量スプーンを使うが、卵の味が決まると味が安定するので、計れる人はレッツトライ。

▼下ごしらえがおわったら

(1)フライパンにサラダ油をやや多めにひき、豆腐を入れて、弱火で焼いていく。途中でひっくり返す。

(2)軽く焦げ目がつくまで焼く。塩少々を両面にふる。焼く途中で水気が出てきたら、キッチンペーパーで拭き取ると香ばしく仕上がる。

(3)弱火のまま、豆腐の上から溶いた卵を半量ほど(どろっとした白身の部分を中心に)静かに流し入れ、蓋をして火を通す。

(4)取り出して皿に盛り、鰹の削り節をかける。

(5)フライパンにサラダ油少々を入れ、ゴーヤーの外皮を上にして並べ、弱火で焼く。白い部分を取ったゴーヤーは、生でもおいしく食べられるので、ほんの少し焼くだけで大丈夫。

(6)残りの卵(黄身の多い部分)を流し入れ、蓋をして火を通し、(4)の上にのせる。卵の焼き加減はお好みで。全体をざっくり混ぜてもいい。

一般的なゴーヤーちゃんぷる〜の常識を超えたこのレシピは、京都・太秦(うずまさ)で沖縄料理店を営む実方(じつかた)藤男さんと大道寺ちはるさんが、さまざまなトライの末に編み出したもの。

16年前に沖縄・壺屋で店を始める以前は、実方さんは執筆業、大道寺さんは校正業。まったく違う畑からの転身でしたが、根っからの料理人ではないからこそ、文献を徹底的に調べ、緻密に試作を重ねて、数々の沖縄伝統料理を復活させてきました。このレシピも、だからこそ生まれた、自由で理にかなった傑作“目ウロコレシピ”なのです。まずはぜひ、レシピ通りに実体験を。そして肝をつかんだら、あなた好みにアレンジしても!

(dancyu編集部 里見 美香 文・里見美香 撮影・東谷幸一 教える人:「にんじん食堂うずまさ」料理人 実方藤男、大道寺ちはる)