By Caribb

世界最大規模の航空宇宙機器メーカーであるボーイングが、人工知能搭載でパイロットを乗せずに飛行する自律飛行型の商業旅客機のテスト飛行を2018年に予定していることがわかりました。

Boeing studies planes without pilots, plans experiments next year | The Seattle Times

http://www.seattletimes.com/business/boeing-aerospace/boeing-studies-planes-without-pilots-plans-experiments-next-year/



ボーイングでVP(副社長)を務めるマイク・シネット氏は、2017年6月19日から行われるパリ航空ショーに向けた説明会で、「熟練のパイロットと同レベルの判断をAIだけで行う自律航空機」について説明しました。USエアウェイズ1549便不時着水事故では、両エンジンが同時にバードストライクで停止するというレアケースに見舞われたのですが、チェズレイ・サレンバーガー機長のとっさの判断で離陸から5分でハドソン川へ緊急着水。熟練パイロットの判断力で乗員・乗客全員が無事に生還を果たしたことから、この事故は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれていました。シネット氏は「AIがサレンバーガー機長と同レベルの判断を実行できなくてはなりません」と話しています。

シネット氏によると、ボーイングは人間のパイロットのように判断を下すAIシステムのシミュレーターを使ったテストを2017年内に実施予定で、2018年にはそのシステムを実機に搭載してテスト飛行を予定しています。実機のテスト飛行に乗客はいませんが、無人ではなくエンジニアとパイロットが搭乗するとのことです。

ボーイングは今後20年間で、現在の2倍に当たる約4万機の商用ジェット機の需要増加を予測しています。商用ジェット機の増加に伴って経験豊富なパイロットも必要になるのですが、すでに世界中でパイロット不足が続いており、今後この傾向はさらに加速することが予想されます。「AIジェット機」が完成すればパイロット不足が解消されるわけですが、2016年のアメリカではジェット機の死亡者数ゼロを記録しており、シネット氏は「AIシステムは死亡者ゼロ以上の安全性を確立できなければなりません」と話しています。

なお、すでにいくつかの自動技術は航空機に組み込み済みで、長時間フライトを行う商用ジェット機が何時間も「オートパイロット」で飛行可能になる技術もそのひとつ。さらに商用ジェット機の中には、悪天候で視界が悪い場合に安全に着陸できる「自動着陸機能」を備えている機体も多く存在しています。この機能は基本的に使用を許可されていないのですが、すでに自律飛行を可能にする技術の基盤は存在しているといえます。



By Bill Abbott