アーティストのデヴィッド・オライリー氏が手がけた万物シミュレーター「Everything」のゲームプレイ映像が、アカデミー賞の短編アニメ部門のノミネート候補になりました。この約11分間の映像は6月1日から開催されたVIS Vienna Shortsでも審査員賞を受賞しています。

「Everything」は、そのタイトルが現すとおり"この世に存在するあらゆるものになれる"のがコンセプトのゲーム。"なんでもできるけど、やらなければいけないことは何もない"のが大きな特徴です。プレイヤーは細菌などミクロのレベルから島や氷山、地球、銀河にいたるマクロレベルの存在までを扱うことができます。
 
アカデミー賞にノミネートされたのは「Everything」の11分間にわたるプレイ画面の映像で、英国人哲学者アラン・ワッツの語りが、このゲームが持つ哲学的な世界観を効果的に解説します。



穏やかなトーンで語られる言葉ひとつひとつがプレイ映像と密接に絡み合い、見終わる頃には満腹感すら感じてしまうところは、ゲームを売ろうという観点からは失敗かもしれません。とはいえアカデミーのノミネート候補になり、もしかしたら受賞するかもしれないという状況は、このゲームが持つ固定観念にとらわれないコンセプトを現実世界で体現しているとも考えられ、大きな視点で見れば大成功とも言えそうです。

作者のデヴィッド・オライリー氏といえば、2014年にも 山シミュレーター という斬新にも程があるコンセプトの作品「Mountain」を発表して世界を困惑させた実績の持ち主。いま思えばあれが「Everything」のパイロット版的位置づけだったのかもしれません。

「Everything」はゲームプラットフォームSteamでPC/Mac版が入手可能です。海外ではPlayStation Storeでも販売しています。

下は「Mountain」の映像


訂正:初出時、アカデミー賞にノミネートされたと表記をしていましたが、実際のところはノミネートの候補になったというのが適切な表現でした。ノミネート作の選出は今年後半から開始されます。お詫びして訂正いたします。