by Eric Martin

「ミルク」といえば主に牛乳を指しますが、近年は豆乳・アーモンドミルク・ライスミルクといった植物性のミルクも登場し、牛乳以外のミルクを日常的に飲んでいる子どももいます。では、飲んでいるミルクの違いで子どもたちには何か違いが生まれるのか、研究者が5000人の子どもを対象に調査を実施しました。

A Mediterranean diet lowers blood pressure and improves endothelial function: results from the MedLey randomized intervention trial

http://ajcn.nutrition.org/content/105/6/1305.abstract

Does drinking cow's milk help children grow taller? - Health - CBC News

http://www.cbc.ca/beta/news/health/milk-children-height-1.4149832

今回研究を行ったのは、カナダ・トロントにあるセント・マイケルズ病院に勤務する小児科医のJonathon Maguire氏らで、研究結果はAmerican Journal of Clinical Nutritionで発表されました。

Maguire氏らはプライマリ・ケアの処置を受けた2歳から6歳の子ども5000人を対象に調査を実施。子どもの身長・体重を測定すると共に血液サンプルを採取し、両親に対して、子どもに牛乳を与えているか、それとも牛以外から取られたミルクを与えているかのアンケートを取りました。このとき、植物性のミルクや山羊から取られたミルクを飲んでいる子どもは全体の13%で、残りの子どもは日常的に牛乳を飲んでいたとのこと。



by Jerrold Bennett

調査の結果わかったのは、毎日コップ3杯の牛乳を飲んでいる3歳の子どもは、牛乳以外のミルクを飲んでいる子どもに比べて、平均1.3cm身長が高いということ。3歳児の平均身長は76cmほどなので、この1.3cmの差は非常に大きいとMaguire氏は語ります。飲むミルクの違いから生まれる身長差が何に由来しているのかは記事作成時点で不明ですが、過去の研究結果を鑑みると、牛乳に含まれる特定のタンパク質が原因ではないかと見られています。

3歳児が1日に必要とするタンパク質の量は16グラムほどだと言われていますが、これは牛乳2カップで摂取できるタンパク質の量に相当します。一方で、2カップのアーモンドミルクに含まれるタンパク質の量は4グラムほどで、1日に必要なタンパク質量の25%しか摂取できません。なお、今回の調査結果には、年齢・性別・民族性・年収・母親の身長などが考慮されています。

一方で、牛乳ではないミルクの摂取と身長との間に関係性が認められたからといって、ただちに牛乳でないミルクが低身長の原因になるわけではないと小児科医のPeter Nieman氏は指摘します。環境的・医学的な理由から牛乳ではないミルクを選択する家族も増えており、過去10年で牛乳でないミルクの消費量は増加しています。しかし、これらは比較的新しい研究分野であり、結論を出すのは早計だとNieman氏は考えている様子。「誰かが『自分はヴィーガンである』といった環境的な理由から牛乳ではないミルクを選択していたとしても、私は彼らを尊重し、彼らの生活が健康かつ安全になるように手助けしなければなりません」とNieman氏は語りました。本研究は議論を活性化させるものとなりますが、一方で長期的に見た情報が必要だとNieman氏は説明しています。



by alex ripalda

なお、カナダでは牛乳に含まれる栄養成分には標準規格が存在しますが、アーモンドミルクなど、その他のミルクには標準規格が存在しないことについても、研究者らは言及。標準規格は子どもに十分な栄養を与えて守ってくれるものであり、牛乳と似たような形でお店に並ぶ他のミルクに標準規格が適用されないのは不自然だと研究者らは語っています。