米メリーランド州のボルチモアで暮らすビーグル犬のペッパーは、6年もの間、ただひたすら飼い主に愛され、ともに行動し、おやつのチキンを分け合ったワンコだ。

本来ならその幸せはずっと続くはずだった。ただし時の流れは、高齢の飼い主との時間を削り取ってしまった。

泣く泣くペッパーを手放した元飼い主

高齢だった飼い主は、ペッパーの世話だけではなく、自分自身の世話をするのも難しくなってしまった。

とうとう彼女は、高齢者向けの施設に入居することになったのだ。

そこにはペッパーを連れて行けないため、新しい飼い主を探し始めた。しかし入居までに新しい家族は見つからず、5月の上旬にペッパーを地元の動物保護施設であるBARCS Animal Shelterに連れてきたのだ。

別れ際にスタッフにかけた言葉

元飼い主がペッパーを預けるときには、施設のスタッフにこんな言葉をかけたという。

「世の中で一番美しくて、愛情豊かで、フレンドリーで、ステキな長いお耳の甘えん坊さんなの」

6年間を共に過ごした元飼い主の深い愛情が感じられるこの言葉に、スタッフは心を動かされた。

元飼い主はスタッフが新しい家族を探してくれると信じていたという。

母の日の前日に運命の出会いが

一方でクリスティン・ボーマンさんは、15年間連れ添ったビーグル犬、チャーリーを3月に亡くして悲しみに暮れる母親のために、母の日にプレゼントするワンコを探していた。

母親のテリエさんは、警察官の妻として36年間を過ごし、3人の子どもを立派に育て上げ、今では3人の孫がいる女性だ。

クリスティンさんは数々のブリーダーやシェルターなどを訪れ、母親の新しい親友を探し続けた。そしてとうとう母の日の前日に、BARCS Animal Shelterにやってきたのだ。

運命を感じたものの

クリスティンさんがペッパーの話を聞いたのは、彼女を連れて帰ると決めてから。ペッパーが高齢の女性と共に暮らしていたという話を聞いて、クリスティンさんは出会いに運命を感じたという。

そして翌日の母の日に、ペッパーは新しい飼い主と対面した。

▼初めてテリエさんと顔を合わせた瞬間

ただし、元の飼い主との別れを悲しみ続けているペッパーは、そう簡単に気持ちを切り替えることができずにいた。

すぐに家族の一員に

しかし、愛情深いペッパーが新しい家族を受け入れるには、そう時間はかからなかったようだ。

テリエさんのベッドの横に用意したペッパー用のベッドで眠るようになり、テリエさんと一緒に椅子に座るようになり、家に来て一週間も経つと、すっかりなついてくれたそうだ。

また、先住ワンコであるフォックスハウンドのグレード・ジョーとも遊んでいるという。

テリエさんが元飼い主に書いた手紙

元飼い主がきっとペッパーのことを気にかけているだろうと考えたテリエさん。そこでBARCS Animal Shelterを通じて、家に来てからの写真と共に、手紙を送ることにした。

その手紙には、ペッパーの現状報告とともに、出会った瞬間から、ずっと知っているような気がしていたことやペッパーが時折、元飼い主を恋しがっていること、そして愛情深い家族に引き取られたことが書かれていた。

また、プリンセスのような人生を送ると約束すると書かれていたのだ。

Facebookに投稿された

BARCS Animal Shelterは5月25日、「きっとこの手紙を読んで、元飼い主は安心すると思う」というコメントと共に、ペッパーの物語をFacebookに投稿。2週間ほどで1,600人以上がリアクションした。

多くの人から「泣いた」という報告など、130件近いコメントが寄せられている。

また、テリエさんのいとこという人からは、「確かにペッパーは甘やかされて、女王様のように過ごすに違いないね。テリエはヒトにとってもワンコにとっても素敵なお母さんだよ」という声も投稿されていた。