『怪物はささやく』での名演ぶりは必見のルイス・マクドゥーガル

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 映画『永遠のこどもたち』『インポッシブル』などのJ・A・バヨナ監督の新作『怪物はささやく』(6月9日 日本公開)について、主演のルイス・マクドゥーガルがニューヨークのウォルドルフ=アストリアでインタビューに応じた。

 本作は、孤独な少年コナー(ルイス)と彼のもとにやってきた木の怪物(リーアム・ニーソン)の奇妙な交流を描いたダークファンタジー。学校ではいじめられ、シングルマザーの母親(フェリシティ・ジョーンズ)は重病に侵され余命いくばくもない少年コナー。ある夜、彼の前に木の怪物が現れ「三つの物語を語る。終えたら、四つ目はお前が話せ」と告げられ……。 パトリック・ネスの同名小説をバヨナ監督が映画化した。

 今回初となったバヨナ監督とのタッグについてルイスは「『インポッシブル』を観たんだけど、とても素晴らしい作品だと思ったね。監督はセットで撮影の合間に音楽を流していたんだけど、シーンごとにその楽曲は違ったりしたんだ。感情的なシーンでは役に立つこともあったよ」と撮影を振り返る。また、感情の起伏が激しいキャラクターである主人公コナーを演じる上で心がけたことについては「もともと感情的な内容の原作なんだけど、パトリック自身が脚色したことで、感情がそのまま脚本に反映されたように思うんだ。その中で、自分なりにコナーの感情をできる限り理解していったよ」と語る。

 劇中では怪物と対峙するシーンが多いが、現場ではどのように演じていたのだろうか。「撮影開始2週間前に、怪物のモーション・キャプチャー用のリハーサルをリーアムと行ったんだけど、撮影が始まるとリーアムは(別の撮影で)いなくなったから、セットに怪物の等身大の顔のレプリカが作られたんだ。僕はそれに向かって演じることになったから助かったよ」と笑顔で答えるルイス。怪物役のスタンドイン(照明や撮影の準備作業のために立ち位置を確認する俳優の代理)として、『スパイダーマン:ホームカミング』のスパイダーマン役トム・ホランドが参加したこともあったそうで「トムが居たのは1日だけだったけど、怪物のシーンのセリフを僕の前で読んでくれたりしたよ。彼はバヨナ監督のことをよく知っていたね」と明かした。

 今作のコナーと母親の関係については「母親は自分の病状を息子にうまく伝えきれていなかったり、コナーとの関係は典型的な母親と息子の関係とはどこか違うように思うんだ。兄弟や親友のような関係って感じなのかな」と冷静に分析。ルイス自身も母親を多発性硬化症で亡くしているそうだが、まだ15歳ながら辛い経験をしている彼だからこそ、素晴らしい名演をみせてくれたのかもしれない。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)