日本発のドローン専門ファンド「DRONE FUND」設立!

個人投資家の千葉功太郎氏を中心としたグループが日本初となるドローン・スタートアップに特化した専門ファンド「DRONE FUND(ドローンファンド)」を5月30日に設立し、活動を6月1日から開始すると発表しました。

ドローンが一般に認知され普及の兆しを見せて既に数年が経ちますが、活発な投資により急成長する欧米諸国や中国のドローン業界と比べ、日本におけるドローン産業および業界はまだまだ発展途上と言える段階です。「空の産業革命」とも呼ばれるドローンビジネスの発展性は未知数ながらも膨大であると予想されており、日本国内市場においても2022年までに1400億円を超える産業規模に発展するという試算もあります。

そういった「投資不足」を補い活発な意見交換と連携をもってドローン産業を育てていこうというのがドローンファンドの大きな目的です。今回はその設立発表会の模様を写真とともにご紹介します。


ロゴデザインはドローンの4つのプロペラを意匠化している


■様々な課題が立ちはだかるドローンビジネスの展望
「ドローン前提社会がやってきます。私たちはそのお手伝いがしたい」。大きくスクリーンに映し出された言葉とともに熱のある弁を奮ったのは個人投資家の千葉功太郎氏です。ドローンファンドの責任者を務める千葉氏はコロプラやKlabといったモバイル関連企業の取締役を歴任してきた人物で、国土交通省全国包括飛行許可を有するドローンスペシャリストでもあります。


超小型ドローンを片手にドローンファンドとこれからの日本について熱く語る千葉氏


ドローンファンドには千葉氏のほか、ORSO代表取締役の坂本義親氏、日本マイクロソフト業務執行役員の西脇資哲氏、シンクル事業長の尾原和啓氏、慶應義塾大学政策・メディア研究科特任講師の高橋伸太郎氏、クリエイティブホープ代表取締役会長の大前創希氏、アスラテック ロボットエバンジェリストの今井大介氏の6名がアドバイザリーボードとして参加しており、ロボット分野やインターネットビジネスの観点から様々なサポートを行う体制を整えています。


千葉氏とアドバイザリーボードメンバーの6名



左から、西脇資哲氏、坂本義親氏、千葉功太郎氏



左から、今井大介氏、大前創希氏、高橋伸太郎氏



尾原和啓氏は海外からテレビ電話での出席となった


前述のように日本においてドローンが一般に認知され始めたのはここ数年のことであり、まだまだ産業としては生まれたばかりと言えます。さらに法整備やそれに伴う規制なども整っておらず、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」のレポートによれば、現在は「目視内での操縦飛行」と「目視内飛行(操縦なし)」に限られており、その先にある「無人地帯での目視外飛行」や「有人地帯での目視外飛行」については2018年以降の実現が予定されています。


都市部などでの目視外飛行を可能にするのが目下の最終目標だ


当然これらの実現には数多くの技術的な課題を解決する必要があり、また法整備も必須となります。しかし現在の日本ではそういった技術研究や産業としての基盤の発展に必要な資金を集める手段が少なく、リスクマネーの投資に対する文化的な忌避感も大きな障壁となっています。

そこで登場するのがドローンファンドです。ドローンファンドでは積極的なリスクマネーの投資とインターネット業界的な経営手法、そして様々なテクノロジーを連携しプロデュースしていくという3つの要素を基本として、スタートアップ企業へ資金のみならず業界参入や技術的な連携についてもバックアップしていくというのが大きな方針となっています。


単なる資金的な起業支援ではなく、「チームジャパン」としての協業・共創コミュニティの構築を目指す


技術連携の面では日本の町工場の力も借りて世界のドローン市場で戦えるスタートアップの創出を目指すとして、町工場やその技術者ネットワークを持つ知識プラットフォームのリバネスと提携し、ドローンファンドの投資先グループの試作・量産開発ならびに研究者との連携を支援していくとしています。


研究者や企業の研究ネットワークを支援するリバネスとも業務提携し起業家や研究者のバックアップ体制を固める


ドローンファンドではすでに11社のドローン・スタートアップとの連携を予定しており、発表会後半には各社が事業内容のプレゼン行ったり、会場に併設されたブースコーナーに事業内容やドローンファンドとの連携目的などの展示を行っていました。


ドローンを使った空撮ビジネスからドローンレース、そしてドローンに特化した人材派遣事業など、支援企業の幅は多岐にわたる



ドローンエモーション代表取締役 田口厚氏



ドローンエモーションでは地域行政向けの地域創生空撮パッケージを提案



アイ・ロボティクス代表取締役 安藤嘉康氏



アイ・ロボティクスでは24時間飛行し続ける大型ドローンによる大規模インフラシステムを提案



FPV Robotics 代表取締役 駒形政樹氏



FPV Roboticsは日本最大のドローンレース「Drone Impact Challenge」を運営している。同レースは1〜2ヶ月に1回のペースで盛んに行われている



エアリアルラボ 代表取締役 小松周平氏



エアリアルラボが開発した1人乗りホバーバイク(有人ドローン)の試作機


■ドローンビジネスは日本に花開くか
ドローンファンドがこのタイミングで設立された背景には、先行する欧米諸国や中国に大きな危機感を感じていることも大きな理由ではないでしょうか。大手企業のみによる技術開発や普及促進の速度では世界に追いつくことが不可能なのは自明であり、その打開にはスピード感があり野心あふれるベンチャー企業や中小企業の知恵と技術を結集することが重要なのだと感じました。

「空の産業革命」は果たして日本で花開くのでしょうか。その答えはまだ見えませんが、ここから始まるのは間違いないでしょう。


日本の空と未来にドローンを飛ばせ!


記事執筆:あるかでぃあ


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