【インタビュー】アナセマ、新作は「ハードでモダンでアンビエントでエレクトロニック」

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6月9日に世界同時発売となるアナセマのニュー・アルバム『ジ・オプティミスト』は、バンドにとって初のストーリーに基づく作品だ。2001年にリリースされた『ア・ファイン・デイ・トゥ・エグジット』のジャケット・アートから端を発し、そこから発展していったという新作『ジ・オプティミスト』は、どのような作品なのか。

ダイナミズムとアンビエンスの起伏に富んだ『ジ・オプティミスト』の道程を案内するのは、ダニエル(ギター、キーボード)とヴィンセント(ヴォーカル、プログラミング)のキャヴァナー兄弟だ。彼らの導く先に待つのは?

──『ジ・オプティミスト』のコンセプトは『ア・ファイン・デイ・トゥ・エグジット』(2001年)のアートワークからインスピレーションを得たそうですね。

ヴィンセント:このアイディアを得たのはレコーディングの数ヶ月前、去年(2016年)の9月ぐらいだった。ロンドンでソングライティング・セッションを行って、5月から俺とダニエル、そしてジョン(ダグラス/ドラムス、プログラミング)の3人で曲のアイディアをぶつけあい始めたんだ。そうしているうちに『ジ・オプティミスト』のストーリーが形作られてきた。主人公が真夜中のアメリカ西海岸の道路を旅するというテーマは、主にダニエルによるものだった。ジョンと俺は補足的なアイディアを出したり、曲をアレンジしたり、曲順を変えたりした。そうして音楽の旅が完成したんだ。

▲『ア・ファイン・デイ・トゥ・エグジット』のアートワーク
ヴィンセント:ストーリー仕立てのアルバムは今回が初めてなんだ。主人公は過去の亡霊に追われていて、車で走り出す。そして彼の旅が始まる。『ア・ファイン・デイ・トゥ・エグジット』のジャケット写真がサンディエゴ郊外のシルヴァーストランド・ステイト・ビーチだったこともあって、舞台はアメリカ西海岸のイメージがあった。でも地域については限定することなく、聴く人が自由に解釈してくれればいい。『ジ・オプティミスト』は幾通りかの聴き方をすることができる。アナセマの新曲のコレクションとして、ひとつのストーリーとして、人生の比喩として…そのどれもが正解なんだ。“ザ・オプティミスト”は俺たちを投影したキャラクターであり、リスナーの代弁者であり、誰でもない存在だ。

──アルバムの音楽性について教えて下さい。

ヴィンセント:ハードで、モダンで、アンビエントで、エレクトロニックで…いくつもの要素が個別に存在するのではなく、ひとつのバンド・サウンドとして存在している。前作『ディスタント・サテライツ』(2014)にともなうツアーでドラム・マシンやシンセサイザーと慣れ親しんできたことで、エレクトリックな要素が特別なものでなく我々の音楽性の一部として溶け込んでいる。自分たちで予想していなかったスタイルも採り入れることになった。「クローズ・ユア・アイズ」のジャズは俺たちが「ジャズをやろう」と思ったわけではなく、曲がジャンルを選んだんだよ。

ヴィンセント:「クローズ・ユア・アイズ」は2008年頃、俺がインプロヴィゼーションで書いたキーボード・パートから発展していった曲で、ずっとシーケンサーに保存していたパターンをヴィンセントが聴いて「これ、いいじゃない?」と言い出した。プロデューサーのトニー・ドゥーガンとトロンボーン奏者のマイケル・オワーズによって、この曲は完成することができた。トニーは映画『タクシードライバー』サウンドトラックのイメージを出そうとしていてね、すごく良い仕上がりになった。1日で完成したんだ。ただ、この曲を聴いて「アナセマがジャズに挑戦した」と感じる人はあまりいない気がする。1枚のアルバムにさまざまな音楽スタイルを採り入れるのは、常にやってきたことだから。