日本の古い友人が北京に観光旅行にやって来た。レンタカーであちこち見て回ろうと思ったが、意外にもこのプランは拒否された。資料写真。

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日本の古い友人が北京に観光旅行にやって来た。レンタカーであちこち見て回ろうと思ったが、意外にもこのプランは拒否された。中国で今、最も人気のあるシェア自転車を試してみたいのだという。新華社が伝えた。(文:陳言・日本企業<中国>研究院執行院長)

私は不思議だった。友人は中国にシェア自転車があることを知っているし、実際、1年前に阿里巴巴(アリババ)をはじめとする中国企業に投資して巨額の利益を手にした日本の有名企業家の孫正義氏がすでに東京でオープンストリートという名前のシェア自転車事業を展開している。

シェア自転車は東京の人にとって別に目新しいものではない。おまけに日本では高級車を乗り回し、高級バッグを持って富をひけらかす発展段階はすでに過ぎ去り、環境保護意識が人々の心に浸透しており、シェア自転車の普及はごく自然な流れといえるのだ。

だが興味深いことに、日本のシェア自転車は中国の隆盛ぶりにはるかに及ばない。自分はしばしば東京に行くが、シェア自転車を見かけたこともないし、自分で乗ったことももちろんない。

それはなぜか。理由の一つはおそらく孫氏の打ち出すシェア自転車があまり便利でないことにある。日本で都市交通機関を利用すると最低運賃は5キロメートルまで約130円で、10キロ乗れば150〜200円だ。孫氏のシェア自転車は最低料金が200円で、1時間ごとに200円が追加される。

中国と異なり、東京のシェア自転車は好きなところに駐輪できず、必ず指定された車庫の決まった自転車ラックに置かなければならない。もちろん、携帯電話のアプリでどこのラックに空きがあるかチェックすることはできるが、いっぱいなら別の空いているラックを探さなければならない。真面目な日本人は携帯電話を手に町中をうろうろと置き場所を探し回ることになり、車の駐車場を探す方がずっと簡単だ。

だが東京の街角ではシェア自転車の大群を見かけることはない。より重要な原因は、孫氏のシェア自転車が高いことでも、駐輪場が見つけにくいことでもなく、孫氏も直面する最もやっかいな問題で、事故が起きた場合に損害賠償をどうするかということにある。

日本で企業を運営する場合、まずサービスを打ち出し、手探りで少しずつ進み、問題があれば解決方法を探すというやり方はできない。初めに十分に考えをめぐらし、あらゆる準備をしてからでなくてはだめだ。東京で中学生の乗る自転車が高齢の女性にぶつかったことがある。その結果、裁判で中学生の家族に1億円を超える賠償金の支払いを命じる判決が出た。シェア自転車に法律問題や賠償問題がしばしば起きたなら、孫氏がアリババへの投資で手にした資金のおそらく大部分がシェア自転車の賠償に回ることになる。

総じていえることは、日本の大都市は中国の大都市と多くの点で似ているが、公共空間の管理や事故の賠償をめぐる法律という点では中国よりかなり厳格で、あまり融通がきかず、このことがシェア自転車の日本での歩みを困難にしているということだ。

日本の友人が北京でシェア自転車を体験した感想はこうだ。「日本のようにたくさん制限がないので、とても便利だった」。だがもう一方では、制限がなければ、「無計画な成長」をもたらし、利用者や社会に悩みと課題を突きつけることにもなる。

日中で異なるシェア自転車の状況から、両国社会の集団心理の違いが浮かび上がる。中国人は便利さと利益を重視し、日本人は秩序を守ることをより重視する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)