対北朝鮮支援物資を点検する民間団体「わが民族同士助け合い運動」の関係者ら=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は新政権発足からの1カ月、9年間続いた保守政権時代に下降線をたどり、完全に断絶した南北関係の正常化を図ってきた。

 ◇民間交流から関係改善を模索
 新政権の対北朝鮮政策を要約すると「南北関係の断絶は朝鮮半島の安定にとって望ましくない」との判断の下、「南北関係の主要事案は対北制裁の枠を損なわない範囲内で柔軟に検討していく」ということができる。
 政府はこの原則に従い、北朝鮮の核・ミサイルの脅威が依然として深刻な中でも、対北朝鮮制裁と関係のない分野からの南北関係の回復を慎重に模索している。
 その第一歩が米国なども既に行っている人道的支援と社会・文化分野の民間交流だ。
 韓国統一部は先月26日にマラリアの共同防疫などを議論するため、韓国の民間団体と北朝鮮との接触を承認したのをはじめ、現在までに人道支援・社会文化交流の目的での北朝鮮との接触を15件承認した。
 民間交流の活性化を通じて南北間の和解ムードがある程度定着すれば、当局間の対話の機会も生まれると期待されている。
◇揺さぶり狙う北朝鮮
 しかし、北朝鮮は韓国政府の誘いに即座には応じない雰囲気だ。
 北朝鮮は新政権発足以降にもミサイルによる挑発を繰り返し、民間団体の支援や北朝鮮訪問の提案も拒否した。北朝鮮側は5日、韓国の民間団体に送ったファクスで、国連の新たな対北朝鮮制裁決議とこれに伴う韓国政府の態度を問題とした。北朝鮮に対する圧力と対話を並行する方針を掲げる文在寅政権に、二者択一を迫った形だ。
 北朝鮮は6日、国営メディアを通じてさらに露骨に思惑を表した。
 朝鮮労働党機関紙の労働新聞は論説で「保守の輩が断絶させた一部の人道的支援や民間交流を許容したからといって、北南(南北)関係が改善されるとみることはできない」とし、「6・15共同宣言(2000年の南北共同宣言)と10・4宣言(2007年の南北首脳宣言)に対する立場と態度は北南関係の改善を望むか、さもなければ同族対決を追求するかを分ける基本尺度だ」と主張した。
 このような北朝鮮の態度は、新政権が発足するたびに北朝鮮が見せてきた典型的な「懐柔」パターンだと分析される。
 統一部の関係者は「北は韓国の新政権の発足初期には南北関係で主導権を握るために揺さぶりをかけてくる」とし、「北の主張に一喜一憂せず、原則に従って南北関係の修復を推進する」と述べた。
◇南北共同行事巡り駆け引き
 北朝鮮は南北関係の改善に対する韓国政府の「本気度」を、南北首脳による6・15宣言(2000年)を記念する南北共同行事の受け入れの是非で判断すると予想される。
 北朝鮮は人道支援団体と宗教団体の北朝鮮訪問・支援を全て拒否しながらも、「6・15共同宣言実践南側委員会」が推進する共同行事については協議を続けている。
 同委員会は当初6・15共同行事を北朝鮮の開城で開催することを提案したが、北朝鮮側が平壌での開催にこだわったためこれを受け入れることにした。
 同委員会は代表団の名簿と行事内容など詳細案について北朝鮮側と協議を重ね、間もなく政府に平壌での共同行事開催のための北朝鮮訪問申請を行う予定だ。
 統一部の関係者は「事業の目的と南北関係の改善に及ぼす影響、国際環境などを考慮して承認可否を検討する」と明らかにした。 
 共同行事の開催可否が短期的に南北関係の流れを左右するとみられるが、政府内では不許可の方向に傾いているものと伝えられる。
 行事の場所が政治的に論議を呼ぶ可能性が大きい平壌に決まったことも負担になる。対北朝鮮制裁が活発に行われている中、制裁とは無関係とはいえ平壌で南北共同行事が行われれば国際社会に誤ったメッセージを与え、韓国国内で摩擦が生まれる可能性があるためだ。
 北朝鮮が他の民間交流を遮断したままで共同行事の開催のみを要求しており、これを受け入れれば「北朝鮮に一方的に振り回されている」との指摘が出ざるを得ない部分も政府の選択肢を狭めている。
 したがって凍り付いた南北関係に再び春風が吹くには、ある程度時間が必要との観測が支配的だ。
 東国大北朝鮮学科の高有煥(コ・ユファン)教授は「6・15共同行事を許容すれば、今後の南北関係改善の過程でさらに大きな障害物になる可能性がある」とし、「6月15日まで1週間しか残っていない状況で政府が急ぐ必要はない」と指摘した。
ynhrm@yna.co.kr