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●契約者、被保険者、受取人の三者が同一である必要はない

保険に加入しようと思い、いざ申し込みをする段階になって「契約者」「被保険者」「受取人」として誰の名前を書けばいいのかわからなくなった経験はありませんか? 生命保険や医療保険にはこれらの三者は必ず登場します。

実はそれぞれが契約やお金に関する役割を担っているため、正しく理解しておくことが大切です。今回は、保険にまつわるこれらのキーワードにスポットを当ててみましょう。

○それぞれの用語を具体例とともに確認

「家族のために」と自分自身と奥さん(Bさん)の生命保険に加入することにしたAさん。契約申込書への記入の際、曖昧だった契約者と被保険者と受取人という言葉の意味を保険販売員に確認しました。

被保険者……保険の対象になる人のこと。その人が入院したら、事故に遭ったら、死亡したら……というように、被保険者に保険契約の支払い事由が起これば給付金や保険金が支払われます。

契約者……保険会社と契約を結んで保険料を支払う人のこと。保険金額や保険料の支払い方法、受取人を誰にするかなど、契約者が申し込みの内容を決定します。また、加入後に契約内容の変更を請求する権利も持っています。

受取人……保険会社から支払われる保険金や給付金を受け取る人のことです。通常、保険金や年金、給付金などの種類ごとに指定されます。

被保険者・契約者・受取人が同一人である必要はなく、それぞれ別であっても構いません。そこでAさんは、被保険者・契約者ともにAさん、受取人を妻のBさんにする内容の申込書と、被保険者を奥さんのBさん、契約者はAさん、受取人は2人の子どもであるC君に指定する申込書を記入しました。

つまり、前者の契約はAさんの万一に備え、Aさん自身が保険料を払い、AさんにもしものことがあればBさんが保険金を受け取ります。後者の方は、Bさんの万一に備え、Aさんが保険料を払い、C君が保険金を受け取ります。

●一般的に親が子を受取人にすると不利益を被る理由とは

ところが、保険販売員からC君を受取人にすると、税金面で不利とのアドバイスを受けました。一体どういうことでしょうか。

生命保険の保険金には税金がかかります。契約者・被保険者・受取人の関係によって、相続税や所得税、贈与税というように税金の種類が変わり、せっかく保険金を受け取っても税金の支払いで不利益を被ることになってしまうケースもあるのです。そのため、契約者・被保険者・受取人の意味を知るだけでなく、それぞれのお金の支払いと受取の関係を正しく理解しておくことが大切なのです。

そもそも生命保険の目的は、死亡保険金で残された遺族の生活を保障するというもの。だからこそ、AさんとしてはC君の母親であるBさんが万一死亡した際には、「夫である自分よりも息子であるC君に保険金を」という考えになるのもわかります。

しかし、保険金の対価として保険料を支払っているのは契約者であるAさんです。保険会社を経由してはいるものの、AさんがC君にお金をあげた(贈与した)ということになり、C君に贈与税がかかってしまうのです。

生命保険には税制面のさまざまな優遇措置がありますが、保険契約者が被保険者や受取人を決定する際に適切に決めておかなければ、生命保険料控除や医療費控除、死亡保険金に対する非課税限度額制度などに大きく影響を及ぼします。契約時にはよく考えて決めるようにしてくださいね。

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。