5月の「チャイナリスク」関連倒産は3件(前年同月比72.7%減)、負債総額は15億5,000万円(同91.9%減)だった。件数は、2016年12月から6カ月連続で2桁割れとなっている。
 1-5月累計は、件数が21件(前年同期比61.1%減)、負債は138億9,800万円(同67.2%減)で、前年同期比で6割の大幅な減少。「チャイナリスク」関連倒産は小康状態が続いている。
 なお、倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、5月は1件だった(前年同月は3件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 5月のチャイナリスク関連倒産は、件数・負債ともに前年同月を大幅に下回った。1-5月の累計も件数・負債ともに前年同期比で6割以上減少し、「チャイナリスク」関連倒産は2016年をピークに急速に沈静化している。
 中国の1-3月の国内総生産(GDP)は前年同期比6.9%増で、政府目標の6.5%を上回った。だが、中国政府が主導する固定資産への投資拡大が背景にあり、成長スピードが持続されるかどうかまだ未知数な部分を残している。
 5月の「チャイナリスク」関連倒産の3社のうち、2社は「価格競争」が背景にあった。中部地方の葬儀用品の製造業者は、安価な中国品に押されて業績がじり貧になり資金繰りに行き詰まった。今後、中国が工場などへの固定資産投資を拡大させた場合、生産能力の拡大から安価な製品が日本へ流入し、デフレに逆戻りする「価格競争」が激化する可能性もある。
 チャイナリスク倒産は、中国の投資状況を含め中長期で動向を見ていくことが必要だ。