子どもが寝ているとき、おねしょをしてしまうのはよくあること。

このおもらし全般を「おねしょ」というが、5歳を過ぎた子どもが1カ月に1回以上、その状態が3カ月以上続く場合、「夜尿症」という疾患になる。5〜15歳の子どもの中で「夜尿症」があるのは全国で約80万人 といわれるが、自然と治るものなのだろうか? 夜尿症外来の専門医である吉田茂先生に聞いた。

「発達がゆっくりの子はからだの成長に伴い、おねしょが自然治癒することもあります。しかし、意外とその割合は低く、自然治癒率は1年間で約1割といわれています。5歳以降も頻繁におねしょが続く場合は、なにか要因がある可能性があります。そのため疾患として医師の診断が推奨されています」(吉田先生 以下同)

先生によると、尿は血液が腎臓を通り、腎臓でろ過され不要物を除去する形で作られる。この時、尿は腎臓で最終的に濃縮。また尿を膀胱に溜めておき、一定量になったら排尿するよう脳から指令が来るのが尿意となる。

「夜尿症は、腎臓の尿の濃縮力が弱く就寝中の尿量が多いこと『夜間多尿』、膀胱に溜めている尿量が少ないうちに排尿してしまう『膀胱容量の低下』が、おもな要因として考えられます。個人差はあるものの2つの症状を併せ持っていることが多々あります」

●夜尿をしている場合、気を付けたい症状

ほかにも、子どもが便秘であると、おねしょをしやすい傾向になるのだとか。

「便秘は膀胱を圧迫してしまうため、膀胱に尿を溜められる量を減らしてしまう原因でもあります。また、尿量が増えてしまう冷え症も要注意。一度夜尿が治ったと思いきや、冬の寒さや夏場の冷房で夜尿をしてしまう子もいます。子どもが冷え性である場合、寝る時に腹巻や靴下を着用しましょう」

●たかがおねしょと思わず、早めの受診を心がけて

自然治癒するかもしれない年代でも、5歳以降は治療を後回しにしないほうがいい理由のひとつに、子どもの精神的なダメージが挙げられる。子どもは言葉に出さなくても、おねしょを気にしていることが多いという。

「夜尿症が続くことの最大の問題は、子どもの自尊心が失われることです。医師の診断のもと、適切な治療を行い早く治してあげることが、お子さんのこれからの性格形成にとっても大切です。夜尿は自分のせいではなく病気のせいであることが分かれば、本人の自尊心が回復することもあります」

おねしょが続くようなら、子どもの精神的なダメージを配慮し、5歳のタイミングで一度近所の専門医や、もしくは小児科を受診し、医師の判断を仰ごう。

(ノオト+石水典子)