ハリルJ復帰から2戦2発! 34歳の“申し子”今野「パスが来れば決められるなと…」

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負傷明けで先発し同点弾、3月のUAE戦に続く出場2試合連続ゴール

 代表最年長のベテランが、完全に“ハリルの申し子”となっている――。

 日本代表は7日に行われた国際親善試合シリア戦を1-1のドローで終えた。後半3分に先制点を許す展開となるなかで、同13分にMF今野泰幸が出場した代表戦2試合連続となるゴールをマーク。前半の戦いぶりを反省したものの、MF倉田秋との“ガンバコンビ”に手応えを感じている。

 0-1とリードされた後半13分のことだった。FW大迫勇也のポストプレーからDF長友佑都が左サイド深い位置を切り込んでラストパス。これに走り込んだのは今野だった。完全にフリーとなり難なく押し込み、スコアをタイに戻した。

「ナイスパス? そうですね。左サイドを崩してくれた時に走り込んだらフリーだったし、僕にパスが来れば決められるなとは思いました。(井手口)陽介が入ったってのもあるし、相手が疲れてきたってのもあると思うし、あのゴールに関しては左サイドの崩しが完璧だったんで」と殊勲の今野は振り返った。

 後半8分から18分という短い時間だったが、日本の中盤は今野、倉田、そして井手口という“ガンバ・トライアングル”で形成された。また前半10分には香川が左肩関節前方脱臼でプレーの続行が不可能となり、倉田が投入された。G大阪のチームメートとのプレー時間が増えたなかで、今野はこのように振り返っている。

「もう少し攻撃に絡めれば良かったなと」

「まあ(倉田)秋の特徴は分かってるし、秋と話し合いながら、なんとか流れを変えられるようにしていました。どうやってボールを運ぶかという部分が今日の前半に関してはあまりうまくいってなかったので、秋とどうすれば運べるのかなっていう話はしました」

 今野の言葉通り、前半こそリズムをつかめなかった日本だが、MF乾貴士の投入、そしてFW本田圭佑のインサイドハーフ起用によって試合の流れを掌握した。それでも今野は「高い位置でボールを奪いたかったし、インサイドハーフをやらせてもらってるんで、もう少し攻撃に絡めれば良かったなと思います」と課題を口にした。

 3月のロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選UAE戦では、2年ぶりに代表招集されるとアウェーでの大一番に先発起用され、縦横無尽の運動量とゴールで2-0勝利の立役者となった。その直後に左足小指の骨折が明らかになり代表とクラブで離脱を強いられたが、今回の代表連戦直前のタイミングで復帰。戦線復帰早々ながら、ハリルホジッチ監督も招集して即スタメンで起用するなど信頼度は高い。チームに欠かせぬキーマンとなったいぶし銀の34歳は、13日に中立地イランで開催されるW杯アジア最終予選のイラク戦で再び輝くことができるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images