(写真提供=SPORTS KOREA)

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アメリカのドナルド・トランプ大統領によるパリ協定離脱表明が世界中で波紋を呼ぶなかで迎えた6月5日は、くしくも「世界環境デー」だった。

1972年6月5日から開催された「国連人間環境会議」を記念して定められたもので、環境省によると日本が国連に提案したものだという。日本では「環境基本法」(1993年)が同日を「環境の日」と定めている。

お隣・韓国も1996年から6月5日を「環境の日」と定めており、翌年からはソウルで「世界環境デー」のイベントも開催されたりしているが、韓国の環境問題で今、最も注目を集めているのは微少粒子状物質「PM2.5」による大気汚染だろう。

現代韓国を苦しめるPM2.5

韓国メディアによると、今年に入ってから3月21日までにPM2.5の警報や注意報に相当する「特報」が発令された回数は85回となっており、昨年の41回を大きく上回っている。

「注意報」が発令されると、子供や高齢者は室外活動を自制して、成人も外出時にはマスクの着用が勧められている。

「警報」になると、子供や高齢者の外出が禁止になるほどナーバスな問題となっているのだが、韓国では空気を汚している元凶は、中国にあると考えられている。

堪忍袋の緒が切れたのか5月24日、チェ・ヨル環境財団代表をはじめとする学会、医学会などで構成された韓国人91人が中国を相手に損害賠償請求訴訟をソウル中央地方法院に提起したほどである。

彼らは訴状で「中国政府は国際社会の一員として汚染物質を許容可能な範囲内で管理する義務がありながら、まともに管理していないように見える」と指摘している。

中国からPM2.5や黄砂がやってきて韓国の空気を汚染しているという主張なのだが、中国側はその指摘に対して、「韓国はPM2.5の原因が中国のせいだと指摘しているが、原因は確かではない」などと反発。

当然、韓国国民からは「つくづく迷惑な国だ」「最近は日本よりも中国が嫌い」などと怒りのコメントが寄せられた。

昨今、韓国では“嫌中感情”が異常に高まっており、大気汚染問題もその原因のひとつと考えられるようになっている状況なのだ。

興味深いのは、中国を訴えた91人が韓国政府も同時に訴えているということだろう。

訴状では「韓国政府も微細粉塵の対応策をまったく用意しておらず、原因がどこにあるのかすら正確に把握できずにいる」と述べた。

「サバの塩焼き」が原因とした韓国政府も訴えられている

実際に、国民の健康に関連する大問題に対して、韓国政府はさほど積極的な姿勢を示せてこなかった。

昨年には大気汚染の主犯を「サバの塩焼き」とのトンデモ見解を見せて、大ひんしゅくを買ったことが記憶に新しい。
(参考記事:PM2.5の原因は「サバの塩焼き」!? 韓国人もあきれ返った韓国政府のトンデモ主張

ちなみに今回、中国と韓国を訴えている91人は、精神的苦痛に対する慰謝料として、1人当たり300万ウォン(約30万円)を要求しているという。勝訴すれば、全額を寄付するそうだ。

世界的に環境問題が注目されているなかで、なかなか改善が見られない韓国の大気汚染問題。対策が遅れている今現在も、韓国の空は刻一刻と汚染され続けている。

(文=慎 武宏)