中国最南部の雲南省河口ヤオ族自治県周辺では、高速道路での強盗事件が繰り返し発生していた。警察は強盗団5グループを摘発したが、最も盛んに活動していると見られるグループは未摘発だった。そこで、武装警察隊も摘発に取り組むことになった。中国解放軍のネットメディアである解放軍網が5日伝えた。

張豪隊員は19歳で、武装警察の雲南辺防総隊に所属する。階級は上等兵。武装警察は軍隊式の階級制度を用いており、日本の警察官ならば一定の経験を経た巡査といった地位だ。上官である羅松中隊長から強盗団摘発の任務を説明された。日時は報じられていないが、2017年の春節(1月28日)が迫る頃だったという。

強盗団はバイクを使い、道路を塞いで通りすがりの車両を停車させる。そして、銃で脅して金品を要求する。羅中隊長は部下に対して、民間のものに見せかけた車両に乗り、強盗行為に遭遇した場合、容疑者の制圧と身柄確保を行うと説明した。

強盗団に遭遇したのは午前3時ごろだった。高速道路で10人余りのグループが待ち構えていた。10メートルほどに接近して停車する。容疑者らが寄ってきた。武装警官隊は下車して身分を明かす。同時に容疑者の身柄を確保しようとした。

強盗団は驚き一斉に走って逃げ出した。警官隊は追った。すると相手が振り向いて撃ってきた。武装警察隊の先頭を走っていた張隊員は激しい痛みを感じた。一瞬は立ち止ったが、すぐに周囲の同僚に呼び掛け、追跡を再開した。

結局、武装警察側は800メートルほど追跡して容疑者を取り押さえることに成功した。容疑者の身柄を他の隊員に引き渡した後、張隊員は羅中隊長に弱々しい声で「隊長、銃弾が当たったようです」と報告した。

周囲は暗闇だ。羅隊長は別の隊員から受け取った懐中電灯で張隊員の様子を確認した。服の少なくとも4カ所に銃撃による穴が開き、袖やズボンに血がぐっしょりと染みていた。

張隊員は近くの病院に運び込まれた。その病院で左大腿と右手肘から銃弾1発ずつが摘出された。さらに解放軍関係の病院に移され、5時間の手術を受けて銃弾8発が摘出された。しかし膝の部分には現在も3発が残っている。

武装警察はその後、張隊員の家族を呼び寄せた。張隊員本人には事前に伝えない「サプライズ」だった。母親は、足の状態が回復せず横たわる息子を見て、涙を止めることができなかった。張隊員は母親の気持ちを察して声を掛けた。「お母さん、心配はないよ!。病院は一番すぐれた専門の先生を手配してくれた。すぐに良くなるさ」と言ったという。(翻訳・編集/如月隼人)