ネットに流出した映像の一部。女たちが次々と缶にビールを入れている

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 キリンビールによると、2015年の世界のビール消費量は約1億8,378万キロリットルで、うち約24%を中国が占めるという。そんな中国で、偽ビール工場の映像がネットで話題となっている。

 映像には、流れ作業でアルミ缶をやりとりしている複数の男女が映っている。その工程の一部では、素手で液体を缶に流し込んでおり、缶の表面をよく見ると「バドワイザー」と書かれているではないか!

 世界的ビールブランドのバドワイザーは、かくも手作りにこだわっていたとは……。そうではない。これは、先日摘発された偽ビール工場で撮影されたものなのだ。

「新浪新聞」(6月2日付)によると、この業者はインターネットなどでバドワイザー社のプリントがされている缶を1つ当たり数円で購入し、ビールを詰めた後、格安で販売していたという。偽ビールの入手経路や、どの程度市場に流通していたかなどについては、現在捜査中だという。

 バドワイザーは中国語の公式ホームページで、偽ビールを見分ける方法として、缶の表面の凹凸・缶のプリントの色合い・炭酸の量・味の薄さなどを挙げ、注意喚起を行っている。

 広東省在住の日本人男性(39歳)は、中国の偽ビール事情についてこう話す。 
 
「この手の偽ビールは、水や炭酸水を多く入れて量をごまかしていることがほとんど。主にカラオケやクラブなどで、客が酔っ払ってきたころを見計らって出されるんです。アルコール度数が低いので客の消費量も増え、店側も利益が大きい。私も日本のビールやギネスなどを頼んだ際、ニセモノをつかまされたことがあります。単価の高い海外ブランドのビールは、特にニセモノが多いようです。ただ、これまで出回っていた偽ビールは、拾ってきた空き瓶に注入して栓がされたものがほとんどで、ニセモノに警戒して瓶ビールは避けるという人もいましたが、缶ビールにまでニセモノが登場するとは……」

 昨年9月には、バドワイザー社のロゴをプリントしたビール缶を販売していた業者が摘発されており、業者はこの缶を偽ビール製造業者に卸していたことを認めている。こんな国では、うかつに酔っぱらうこともできない……。 
(文=青山大樹)