中国メディアの新浪網は5日、米軍が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の迎撃実験に初成功したことを受け、中国が開発中のICBMの東風−41を迎撃することはとうてい無理と主張する記事を掲載した。資料写真。

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中国メディアの新浪網は5日、米軍が5月30日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の迎撃実験に初めて成功したことを受け、中国が開発中のICBMの東風−41(DF−41)を迎撃することはとうてい無理と主張する記事を掲載した。

米軍は地上発射型ミサイル迎撃システム(GMD)と呼ばれる方式により、西太平洋マーシャル諸島から発射されたICBMの模擬弾をカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から発射したミサイルで迎撃したと発表した。

同システムは、地上や衛星からなどのさまざまな情報収集でICBMの発射を探知し、引き続きICBMのコースを追尾し、得られた情報を総合して迎撃ミサイルを発射。迎撃ミサイルは大気圏外に出た時点ですでにメーンロケットの噴射を終えているが、ICBM先端の大気圏に再突入させる部分のコースを探知しながら、スラスター(小型ロケットエンジン)を用いて自らの軌道を修正した上で相手ICBMに衝突させる。

迎撃用ミサイル弾頭部分にさく薬はないが、衝突速度が秒速7キロメートル(時速2万5200キロメートル)と猛烈な速さであるためにICBM弾頭部分を破壊して無力化できる。

記事はまず、米国のGMDについて解説。実験成功が大きく宣伝されているが、実際のICBM破壊は容易でないと主張。また、ミサイル撃墜システムの完成には大量の資金を必要とするので、納税者へのアピールの意味合いもあるとの見方を示した。

その上で、米国の弾道ミサイル迎撃の実験は5割程度しか成功していないと指摘。さらに、実戦に投入されたこともないので、米軍がICBMを本当に迎撃できるかどうかは「極めて多数の疑問符」が付くとした。

記事はさらに、中国が開発中のICBMであるDF−41を紹介。迎撃が困難である理由として前述の理由の他に、DF−41が複数の弾頭を搭載するMIRVと呼ばれるタイプのミサイルであることを上げた。DF−41は中国本土で発射して米国本土まで到達可能であり、10個の弾道(12個との説も)を搭載できるとされる。

DF−41について実際の弾頭以外の「ダミー」も搭載できるのことが対応をさらに面倒にし、軌道上でコースを変更することも可能とする見方があるとして、米国のシステムが迎撃するのは「根本的に不可能」とした。

記事は最後の部分で、「中国には、いかなる国にも軍事的に威嚇する考えはない」と主張。「もしも米国に中国を核攻撃する“野心”がないなら、中国のDF−41が米国領内を核弾頭で攻撃することを心配する必要は全くない。中国のICBMを迎撃する必要はそれ以上にない。もしも米国が敢えて中国を軍事攻撃するならば、米国本土のいかなる場所もDF−41の攻撃目標になるだろう」と論じた。

なお、米国防総省ミサイル防衛局(MDA)のシリング局長は先月31日、ICBM迎撃実験の成功について、2020年時点で想定される北朝鮮またはイランのミサイルプログラムの状況に関する非常に現実的なシナリオに基づくものと説明した。(翻訳・編集/如月隼人)