主演はオスカー俳優マシュー・マコノヒー(写真中央)、映画『ゴールド/金塊の行方』より
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 映画『シリアナ』や『トラフィック』などのスティーヴン・ギャガン監督が、自身が手掛けたマシュー・マコノヒー主演の新作『ゴールド/金塊の行方』(全国公開中)について、ニューヨークのウォルドルフ=アストリアでインタビューに応じた。

 1990年代、アメリカ経済に大混乱をもたらした通称「Bre-X事件」を基にした本作。鉱山事業に失敗したケニー(マシュー)は全財産をつぎ込んで向かったインドネシアで地質学者マイク(エドガー・ラミレス)と手を組んで巨大な金脈を掘り当てる。一躍時の人となったケニーだったが、その後、大量の金塊が一夜にして消失というニュースが報じられ……。

 友人でもあるマシューとの仕事を以前から望んでいたギャガン監督だったが、今作は脚本を受け取った段階でマシューの出演が決まっていたものの、自身が監督するかは決めていなかったようで「マシューを念頭に脚本を読めたことで、彼のことを(知人として)よく把握しているし、10ページに到達する前には、僕が監督することを決めていたよ」と明かす。脚本を読んだ時点から改稿、キャスティング、ロケーション・スカウトを経て、撮影に入るまでの期間はわずか8か月。記録的な速さで準備が進行していったそうだ。

 「Bre-X事件」については、その内容が実際にどの程度映画に盛り込まれているのか。「(僕が改稿する前の)パトリック・マセットとジョン・ジンマンが書いた脚本は、『Bre-X事件』にかなり近い内容のものだったんだ。でもアメリカ人である僕にはカナダで起きた、カナダ特有の事件のように思えた。カナダ人の多くが『Bre-X事件』で金を失ったからね」とギャガン監督。続けて「僕はこの映画をもっと普遍的なものにしたかったんだ。だから、地質学者のマイクのモデルとなったミカエル・デ・ガスマンがヘリコプターから突き落とされたという重要な事件は、映画でも同様に描き、その他はより普遍的な内容にしたんだよ」と説明した。

 また、主人公ケニーのつかみどころのないキャラクターについては「ケニーの視点でナレーションが展開するけど、観客は彼をイマイチ信用できずに見ていると思うんだ。なぜならケニーは、自分で語っている全てのことを信じているものの、実際には真実ではないこともあるからね。でもそれは、(演出上)ある意味でベストなことなんだよ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)