睡眠サイクルの話題で、よくショートスリーパーだから睡眠時間が短くても元気とか、寝ても寝ても眠いからロングスリーパーなの? なんて話をよく聞きます。勉強・仕事・趣味などに費やす時間の関係で自分が好きなだけ寝るのは難しいもの。自分の睡眠サイクルを知って、無理のない効率的な睡眠をとるにはどうすればよいのでしょうか。

ショートスリーパー、ロングスリーパーの定義は?

日本人の平均睡眠時間は7〜8時間で、これより短いとショートスリーパー、長いとロングスリーパー、標準だとバリュアブルスリーパーといわれますが、睡眠サイクルはそんな単純なものではないそうです。なぜなら睡眠時間は個々の生活習慣によって常に変わるものだから。医者や学者が定義するショートスリーパーやロングスリーパーは日常の睡眠時間ではなく、その人にとって「必要な睡眠時間」になります。

たとえば、毎日0時に寝て5時に起きていても、すっきり起きられない・日中に眠気がある・休みの日に寝だめをするならショートスリーパーではありません。いつもは9時間睡眠だけれど、当番がある曜日は6時間睡眠でもしっかり起きられるのはロングスリーパーではないかもしれないということです。

睡眠サイクルは遺伝子レベルで決まっている!?

人間の睡眠サイクルは、50%が先天性のもので50%が加齢や生活習慣だといわれています。もともと「朝型」「夜型」「ショートスリーパー」「ロングスリーパー」「バリュアブルスリーパー」は遺伝子レベルで決まっていて、それに生活習慣による睡眠時間が多いか少ないかで睡眠サイクルが決まります。学生以降はなかなか自由に睡眠時間を取れる人は少ないので、私たちの睡眠時間はほぼ生活習慣によって決まっていると言ってよいかもしれません。そこで、もともとの睡眠サイクルに支障が出るのが夜型とロングスリーパーです。夜型の人は0時以降にならないと眠くならず、起床も遅くなってしまいます。

ロングスリーパーは9時間以上の睡眠が必要なため、睡眠時間が取れないと朝起きられない・日中に眠くて集中できないといったことが起こります。こればかりは努力や習慣で変えることは難しいのです。強靭な精神力で頑張る人もいますが、そのぶん睡眠効率が悪くなるため疲労が修復できず、免疫が落ちて病気がちになる・仕事でミスをするなどの危険があります。

自分の正しい睡眠サイクルを知ることが健康と美容の秘訣

一般的にショートスリーパーもロングスリーパーも深いノンレム睡眠(脳が休む眠り)の長さには差が無いそうです。浅いノンレム睡眠やレム睡眠(体を休め、脳が学習する眠り)の時間がロングスリーパーには多く、その割に寝つきが悪く夜中に目を覚ましやすいため、睡眠時間が多くても効率の悪い睡眠だといえます。

自分の睡眠サイクルを知るには、まず一週間の平均睡眠時間を出し、朝起きるのが相当辛い・昼間に眠気がある場合はプラス1時間を、毎日のように眠くてボーっとしている場合はプラス3時間を足します。そこで7〜8時間なら普通(バリュアブルスリーパー)、9時間以上ならロングスリーパーになります。枕元に置いたり、腕につけて眠ることでレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルや睡眠満足度を計測してくれるアプリもあるので、活用してみると自分の睡眠傾向がわかりますよ。

現在、ロングスリーパーを治すことは不可能といわれています。しかし、満足のいく睡眠時間が取れなくても質の良い睡眠にするための方法はあります。セロトニンを摂ったり分泌させること、寝室の明かりの工夫、そして上手な仮眠です。眠りは体や脳の修復、お肌の修復や成長にも必要なので、時間の長さより質の良さを重視した睡眠を取りたいですね。


writer:しゃけごはん