Image: © 2017 NVIDIA Corporation via NVIDIA GeForce/YouTube


いつでもどこでも、ハードコアなゲーミングを楽しめるかも!

ゲーミングラップトップと聞くとどんなものを想像しますか? 大抵は辞書みたいに分厚いものではないかと思います。PCゲームの為だけに作られたラップトップは、結果としてあまりポータブルでないものが多いのですが、NVIDIAはその問題に、「Max-Q Design」と呼ばれるハードウェアとソフトウェアのデザインガイドラインを設け、ポータブルでありながらしっかりゲームもできるラップトップを目指しています。


Max-Q Designとは?


5月30日から6月3日まで台北で行なわれたIT見本市、COMPUTEX TAIPEIでNVIDIAはMax-Q Designを披露しました。これは、ゲーミングラップトップに対する新たなアプローチだとしています。Max-Qは宇宙航空業界からの言葉で、発射の際にロケットにかかる多大な負荷を意味します。マシンのパワーと熱のマネジメントが高画質と高フレームレートの維持に欠かせない、PCゲームの世界にもピッタリくる言葉です。

しかし、Max-Q Designの根幹にあるのはラップトップの徹底した効率化です。膨大なパワーと巨大な放熱用の部品を、爆音を出す上にポータブルとも呼べないボディに無理やり押し込もうとするのではなく、効率化した上でサイズとパフォーマンスのバランスを取ろう、ということです。Max-Qのデザインアプローチは、ハードのメーカーに対して、排熱のマネジメントから電気的設計、果てはソフトウェアからドライバまですべての改善を奨励することで、携帯性を犠牲にせずにパフォーマンスを向上させるのです。

より薄くて軽いゲーミングラップトップは徐々に登場しつつあり、これからもその流れは大きくなっていくでしょう。なので、Max-Qはある意味で、小さくなっていくゲーミングラップトップの制作過程そのものをブランドとし、マーケティングしていくクレバーな方法と言えるのです。同時にNVIDIAは、これらのマシンがどれだけ薄く、軽くなり得るかをゲーマーに宣伝することで、ちゃんと持ち運べるラップトップの為に少しだけパフォーマンスで譲歩するのを受け入れやすくすることも狙っています。


Max-Q Designはいかにゲーミングラップトップを改善するのか?


まず薄さです。現在、ハイエンドのゲーミングラップトップの多くはGeForce GTX 880Mを使用し、本体の厚さが50mmのものもあります。一方、AppleのMacBook Airはたったの13mmです。現在のゲーミングラップトップの厚さは、CPU、GPU、その他が全力稼働しているときに発生する熱を放散させるのに必要なのです。

しかし、Max-Qのデザインガイドラインに従うことで、モバイルバージョンのGeForce 1080カードを搭載したゲーミングラップトップはパフォーマンスが70%向上し、電力消費は50%まで抑えることができるのです。それでいて厚さは18mmとなり、重さは大体5ポンド(約2.3kg)ほどになります。対照的に、Appleのラップトップでは最上級となる15インチのMacBook Proは、厚さは15.5mmで重さは4ポンド(約1.8kg)ほどですが、グラフィックスカードはただのRadeon Pro 460です(最大カスタム時)。

新しいMax-Qハードウェアは、現在販売されているゲーミングラップトップよりも40%から50%効率化されており、冷却するための重いヒートシンクや分厚いファンがそこまで必要なくなります。ファンが少なければ静音性も高まります。

また、ウィスパーモードをオンにすることで、自動的にグラフィックスの品質やフレームレートを下げて、グラフィックスカードの負担と熱を更に抑えることができます。フレームレートとグラフィック品質のバランスをとりつつ、個々のゲームに最適なゲーム体験を提供しながらもハードウェアの負担を減らすため、NVIDIAはゲーマーの習性を研究し、有名なゲーム400タイトルの為にウィスパーモードをカスタマイズしました。


どのラップトップがMax-Q Designで設計されているのか?


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Image: ASUS


Asus ROG Zephyrus GX501

Max-Qの可能性を示すためにNVIDIAがフラッグシップとしているのがAsus ROG Zephyrus GX501で、クアッドコア Intel Core i7-7700HQ、8GBのNVIDIA GeForce GTX 1080、最大24GBのDDR4 RAMを搭載しつつ、重量は2.24kgで、閉じたときの厚さは17.9mmです。しかし、開けると6mm拡張し、下部に通気口を作り出して熱を逃がしやすくします(拡張する機構がよくわかる動画:25秒から)。これこそ、ただの力任せではなく、クレバーなデザイントリックでパフォーマンスを向上させるMax-Qの真骨頂なのです。


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Image: 藍天Clevo via Gizmodo US


Clevo P950HR

19mmとAsusの初Max-Qよりやや厚めですが、重さはたったの4.18ポンド(約1.9kg)でGeForce GTX 1070を搭載しています。また、通常版のディスプレイは1,920×1,080のスタンダードHDですが、3,840×2,160の4Kディスプレイにアップグレードも可能で、外付けのディスプレイ無しで4Kゲーミングが楽しめます。


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Image: Windows Blog
先代モデルの画像(先代モデルと筐体は同じ)


MSI GS63

Max-Qラップトップで最も軽いMSI GS63は、たったの3.96ポンド(約1.8kg)に17.7mmの厚さです。内部にはGeForce GTX 1070を搭載し、カスタムの冷却ファンだけでなく、5つのヒートパイプを使ったMSI独自の「Cooler Boost Trinity」技術を採用しています。


結局これってどういうこと?


ラップトップとは携帯性を第一に優先するものですが、それによってグラフィックスとゲームに関して大きな犠牲を払ってきました。PCゲーム『Overwatch』を頻繁にプレイする人がMacBook Airを買うことはありませんが、これからもそうとは限りません。ハードのメーカーに可能な限り効率的なデザインを要求することで、NVIDIAはついに、毎日仕事場に持っていけるようなスタイリッシュなラップトップに、巨大なデスクトップPCと同じチップのグラフィックス・カードを載せる方法を見つけたのです。ハードコアなゲーマーは、もう10kgもするようなバケモノを引きずったり、ゲーム用に別のマシンを用意する必要がなくなるのです。

またMax-Q Designは、Oculus RiftやHTC VIVEなどのVRヘッドセットが普及する鍵でもあるかもしれません。3Dの仮想空間を作り出すのに、これらのVRヘッドセットはパワフルなマシンを必要とし、使える場所を限定してしまいます。しかし、バックパックに強力なMax-Qラップトップを入れておけば、退屈な電車での通勤の間にも仮想空間を探検できるかもしれない、ということです。

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Image: © 2017 NVIDIA Corporation via YouTube, ASUS, 藍天Clevo via Gizmodo US, Windows Blog
Source: NVIDIA, ASUS
Reference: YouTube

Andrew Lizsewski - Gizmodo US[原文]
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