アンディ・マレー【写真:Getty Images】

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全仏4回戦、カチャノフ撃破でツアー通算650勝「自分の最高のテニスができた」

 全仏オープンは7日、男子シングス準々決勝が行われる。世界ランキング9位の錦織圭(日清食品)は、同1位のアンディ・マレー(英国)と対戦。錦織にとって初の4強入りをかけた一戦となるが、今季はドバイ・テニス選手権での優勝のみと不調気味だったマレーが完全復活したことについて、「想像しうる最高の状態」と英公共放送「BBC」が報じている。

 マレーは4回戦で世界ランキング53位のカレン・カチャノフ(ロシア)相手に6-3、6-4、6-4とストレート勝ちを収め、記念すべきツアー通算650勝目を挙げた。21歳の新鋭のパワーに対抗し、危なげないプレーぶりを見せた。

「今日は全体的に自分の最高のテニスができたかもしれない。難しいコンディションだった。風が強く、簡単ではなかったが、試合を重ねるごとに感触は良くなっている。いいショットを打てたし、局面に応じたショットを決めることができた。この10日間ぐらいでここまでやっと上がってきた」

 マレーは記事内でこう語り、コンディションの高まりに絶大な自信を示していた。

 そして、マレーは錦織戦を前にピークにたどり着いたと専門家は分析している。BBCのアナリスト、ラッセル・フラー氏は「マレーは強風のパリの午後、究極的に効率のいい一勝を挙げたが、サービスが最高によかった。試合全体でセカンドサーブの場面でポイントを失ったのはわずか7回だった」としている。この試合でマレーはセカンドサービスでのポイント率は75パーセントと絶大な高さを見せつけていた。

錦織戦を前に専門家は断言「(マレーは)決勝進出に向けて誰よりもチャンスがある」

「カチャノフは大舞台にも気負いすぎず、自由に打ち続けていた。だが、マレーの狡猾さがカチャノフのパワーを中和していた。世界1位は準々決勝に向けて、想像しうる最高の状態にいる。2試合連続のストレート勝ちでエネルギーも保つことができた。(マレーの山では)決勝進出に向けて誰よりもチャンスがある」

 記事でフラー氏はこう分析している。

 対する錦織は、右手首の故障の影響で試合数の少なさを懸念し、試合勘を取り戻すために全仏直前のジュネーブ・オープンに緊急参戦。準々決勝と準決勝でフルセットの消耗を余儀なくされ、4強で姿を消した。今大会も韓国の21歳・鄭現との3回戦で雨天順延で二日に及ぶフルセットの死闘を制し、続くフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)戦でも第1セットを失っている。

 コンディション的には消耗の度合いが少ないマレーに分があると言っていい。過去の直接対決も8勝2敗と大きくリード。悲願のグランドスラム初勝利に挑む錦織の前に、ベストコンディションに到達したマレーが立ちはだかることになりそうだ。