5日、韓国・マネートゥデイによると、ソウル市教育庁が独自に編さんした韓国現代史の教師用指導教材が、小・中・高校に配布されることが分かった。資料写真。

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2017年6月5日、韓国・マネートゥデイによると、ソウル市教育庁が独自に編さんした韓国現代史の教師用指導教材が、小・中・高校に配布されることが分かった。

昨年初め、国の教育部が歴史教科書の国定化を強行したことをきっかけに作成されたという教材「今日と出会う歴史」の2次検討本は、123項目の歴史テーマで構成。年代順に歴史的な出来事が記載される一般の教科書とは異なり、歴史的な出来事が起きた1日がA4用紙1枚分の分量にまとめられている。他に「質問がある教室、議論がある歴史授業」「東アジアの平和教科書」と題する教材も制作が進められているが、現在、執筆作業がある程度完了しているのは「今日と出会う歴史」だけだ。

内容をみると、やはり「国定教科書との視点の違いが目立つ」と記事は指摘する。例示されているのが、1965年、日本の佐藤栄作政権と韓国の朴正熙(パク・チョンヒ)政権の間で結ばれた日韓基本条約に関する解説の違いだ。

国定教科書では「無償3億ドル、長期低利借款2億ドル、3億ドル以上の民間産業借款は、農林水産業の開発と浦項(ポハン)製鉄建設などに投入された」とし、韓国側が交渉で得た経済的・外交的利益が強調されていた。一方、「今日と出会う歴史」では、条約に反対する市民によって1964年6月3日ソウルで起きた大規模デモを中心にまとめられており、デモに参加した学生らによる「日本の謝罪がない韓日協定は売国であり、日本の資本で行った近代化は従属をもたらすだろう」とする主張が詳細に記載されているという。

市教育庁関係者は「『今日と出会う歴史』の内容は中学生のレベルに合わせた」とし、同教材を小・中・高校の教師すべてに配布する方針を明らかにした。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「朴正熙が大統領になったのが間違いの始まり」「朴正熙によって韓国が豊かになったのではない。彼がいなければもっとまともな民主主義国家になっていた」など、日韓基本条約を結んだ朴正熙元大統領への批判の声が多く寄せられた。

その一方で、「朴正熙の業績は業績として認めるべきだ。歴史は事実だけを知らせ、判断は個人に委ねるべき」との意見もあった。

その他、「ちゃんとした教材を準備し始めたんだね」「当然必要なもの」「異常な状態が正常化し始めた」「正義が生きている証拠」「危うく日本のように歴史を歪曲(わいきょく)する後進国になるところだった」など、ソウル市による教材作成に肯定的なコメントも多くみられた。(翻訳・編集/三田)