台湾紙・聯合報は4日、中国人観光客の激減が韓国と台湾に大きな打撃を与えている一方で、なぜ日本だけは恐れないのかとする記事を掲載した。写真は上野の花見客。

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2017年6月5日、中国メディアの中国台湾網によると、台湾紙・聯合報は4日、中国人観光客の激減が韓国と台湾に大きな打撃を与えている一方で、なぜ日本だけは恐れないのかとする記事を掲載した。

台湾で独立志向の強い蔡英文(ツァイ・インウェン)政権が2016年5月に発足して以降、中国本土との関係は一気に悪化し、それまで中国本土から訪れていた数十万人もの観光客が消失した。

中国人観光客を当て込んだ土産物店は台湾全土に140〜160店ほどあった。だが今ではその40〜50店がすでに営業を停止しており、年内にはさらに100店ほどが営業を停止するものとみられている。韓国も似たような状況だ。高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐり中国人観光客が急減したことで、中国語ガイドの大半が転職を余儀なくされる状況になっている。

一方、日本には今も中国人観光客が大挙訪れ続けている。日本の旅行業界は中国人の「爆買い」のツボを押さえ、競争力を根本から改善したためだ。中国人観光客の「爆買い」を取材したジャーナリストの中島恵氏の著書「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか?」がこのほど、台湾でも発表された。

中島氏は、「爆買い」は一時的なブームに過ぎないと指摘する。日本の旅行業者は中国人ガイドからコミッションを要求された経験から、団体ツアーのブームは長続きせず、個人のフリーツアーや目的意識のある旅行にシフトすることを痛感したという。アパグループの都心部のホテルは団体客の予約を受けず、個人旅行者に限定している。旅行会社の中には富裕層にターゲットを絞るといった動きも出ている。

中国人観光客の消費を目当てに資本を積極的に投じない企業もある。老舗の岩崎眼鏡店は中国語のできる店員を用意せず、タブレットを利用した通訳サービスで対応している。政治的な問題などが起きて中国人客が来なくなってもリスクは小さくて済むためだ。

こうした日本の対応は、台湾社会や観光産業にとっても大いに参考になるはずだ。(翻訳・編集/岡田)