「本業がおろそかになる」として、日本の多くの企業で禁止されていた副業。しかし、働き方の多様化が進む昨今では、副業を解禁する企業も増えてきました。

エン・ジャパンはこのほど、同社で運営している転職支援サービス『エン転職』で、「副業*」について正社員として勤務する5000人超にアンケート調査を実施。88%の人が「副業に興味あり」と回答し、副業経験者は33%ということが明らかになりました。

*調査の「副業」とは、週末起業やアルバイト、アンケートモニターなど「本業以外に収入を得る手段・仕事のすべて」を指す。副業は「働き方改革」の一環で、企業側の容認を政府が推進している。少子高齢化に伴う労働力不足の補完と、働き手の収入増やスキルアップによる生産性向上が目的とされている。

副業の目的は「収入のため」

まず、副業への興味を聞いたところ、「興味がある」と回答した人は88%で、「興味がない」と回答した人の12%を大きく上回りました。

理由を見てみると、「収入を得るため」が83%と最も多く、次いで「自分のスキルアップのため」(23%)、「自分のキャリアを広げるため」(17%)、「人脈を作るため」(15%)となりました。

副業経験者の6割が接客系のアルバイト

実際に副業経験の有無を聞いた質問では、「ある」という回答が33%になりました。

具体的には、最も多かったのが「アルバイト(接客・販売・サービス系)」の61%。以降は「アンケートモニター・ポイントサイト」(20%)、「ネットオークション・フリマサイト」(14%)、「株式運用・FX・不動産投資」(11%)と続きます。

副業として注目される「クラウドソーシング」は7%、「シェアビジネス」は1%に留まりました。

週5時間未満、月収5万円未満が半数

副業において懸念されることは「本業に支障をきたさないこと」や「過重労働にならないような労働時間の適正管理」などが挙げられます。実際、副業をしていた人たちの「副業に費やしていた時間」「副業で得ていた月の収入額」はどのくらいなのでしょうか。

「副業に費やしていた時間(週あたり)」は、「5時間未満」が56%(1時間未満12%、1時間〜3時間未満23%、3〜5時間未満21%の合計)を占める一方で、10時間以上の人も21%にのぼりました。

なお、「副業で得ていた月の収入額」は、約半数が「10000円〜50000円未満」となりました。

マイナンバー制度で副業をやめた

副業経験者のうち、現在も副業を「続けている」という人は、38%でした。続けている理由としては「副業の収入がないと困る」という声が最も多くあがりました。

「続けていない」人にやめた理由を聞くと「副業禁止の会社のため、マイナンバー制度導入と同時に止めた」(28歳男性)、「本業が忙しく、身体がキツくなった」(30歳女性)というコメントが寄せられました。

副業が解禁されている会社は2割以下

「現在お勤めの会社では、副業は認められていますか」という質問では、「認められている」という回答が19%、「禁止されている」が44%という結果になりました。

日頃からの時間管理が大事

副業経験者、未経験者に「副業をする際に難しかった(難しそうだと思う)こと」を聞いたところ、どちらも「時間管理」(経験者:63%、未経験者:68%)が最も多くなりました。

単に生活費の補充だけでなく、視野を広げたり、人脈を作ったりというメリットもある副業。とはいえ本業がおろそかになってしまっては本末転倒です。日頃からの時間管理が大切だと言えそうです。

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査期間: 2017年4月3日〜4月30日
■調査対象:『エン転職』利用者で20〜40代の正社員
■有効回答数:5584名