豪シドニー工科大学内にある、中国系の富豪、周沢栄氏の名前を冠したビジネススクールの建物(2015年2月3日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】オーストラリアの2大政党が中国共産党とつながりをもつ富豪2人から約10年間にわたり巨額の献金を受け取っていたことが明らかになり、当局は6日までにスパイ関連法の検証と外国政府による国政介入の調査を命じた。

 5日に報じられた豪ABCなどの調査によると、同国の情報機関は2年前、政治家らに富豪2人からの献金に注意するよう警告していたものの、自由党、労働党の双方が警告にもかかわらず多額の献金を受け取り続けていたことが明らかになった。

 献金していたのは不動産デベロッパーの黄向墨(Huang Xiangmo)氏と周沢栄(Chau Chak Wing)氏、あるいは両者の知人とされ、約10年間にわたる豪政党への献金額は670豪ドル(約5億5000万円)に上るという。周氏は豪州国籍保持者である一方、黄氏は帰化申請中だったものの豪情報機関トップによって手続きが停止されている。

 5日に報じられた調査によると豪情報機関は、中国政府が接近を試みるために政治献金制度を用い、諸機関に介入しているのではないかという大きな懸念を抱いているという。

 これを受けてマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)豪首相は報道陣に「先月初め、司法長官にスパイ防止法、およびオーストラリアにおける外国政府の活動に関するわれわれの法律を検証するよう求め、変更の必要があるかもしれない点についての報告を提出してもらう予定だ」と発言。また「われわれはこの問題を非常に、非常に深刻に受け止めている。外国に介入されないオーストラリアの主権、わが国の民主的プロセスの主権が最も懸念される問題だ」と述べた。

 ジョージ・ブランディス(George Brandis)司法長官も、刑法においてスパイに関する犯罪規定が適切かどうか調査していると述べ、「外国の情報機関による政治的介入の脅威は最高レベルの問題であり、状況はますます悪化している」と指摘した。

 ABCによると、周氏は旅行中を理由に取材には応じなかったという。その一方で黄氏は声明を発表し、ABCが「私の動機に疑問を抱き、二番煎じのニュース報道や怪しげな主張、当てこすりなどに基づき私の評判を損ねようとしていること」を遺憾に思うと述べた。
【翻訳編集】AFPBB News