不倫経験者が語る『あなそれ』波瑠の恐ろしさ 「決して手を出してはいけないタイプ」

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 W不倫の泥沼を描いたドラマ『あなたのことはそれほど』(TBSテレビ)が、いよいよ不穏な展開を迎えている。先週5月30日に放送された第7話では、家出した主人公・美都(波瑠)が不倫相手である有島(鈴木伸之)にすがるものの、有島は友達に戻ろうと提案し、ふたりの関係性は揺らいでいた。一方、有島は自身の妻・麗華(仲里依紗)から娘が生まれたことについて、「本当にありがとう」と微笑まれたことから、「バカだった。軽いノリと昔の思い出と……」と、自身の浮気を白状しそうになっていた。

(参考:『あなたのことはそれほど』はなぜ共感できないのに人気なのか? 不倫経験者が見るポイント

 これまでの王道的な不倫ドラマでは、おたがいが既婚者であることを乗り越えるべき障壁として捉えることで、「ロミオとジュリエット」のような純愛を描くものが多かった。その場合、男女のどちらかが熱狂的に相手への想いを募らせることで、もう片方の気持ちも揺らいでいくのがパターンである。昨年同枠で放送されていた『せいせいするほど、愛してる』なども、コメディタッチではあったが、不倫ドラマの類型に収まるものだろう。恋愛とは基本的に不均衡であり、どちらかが追いかけることで燃え上がるものなのだ。

 『あなたのことはそれほど』も、原作では美都が有島への想いを一方的に募らせており、ある意味では王道の「ロミオとジュリエット」パターンになっている。しかし、ドラマでは原作ほどに不均衡な関係としては描かれておらず、波瑠演じる美都の恋情にもどこか遊びのような部分が感じられる。一方で、有島も原作ほどに冷静な男ではなく、涙を浮かべて妻に謝る姿は、情けなくさえある。

 本作が多くの視聴者から「共感できない」と評されているのは、このアプローチの新しさゆえだろう。しかしながら、不倫経験者から見ると、この描き方は恐ろしさを感じるものであり、特に波瑠演じる美都は「絶対に手を出してはいけないタイプ」だという。結婚からわずか1年にして、浮気のコツを掴んだと豪語する村中夏人氏(27歳/仮名)は、有島に自身を重ねつつ、美都の恐ろしさを次のように語る。

「不倫をしていて怖いことはふたつあって、ひとつは『配偶者にバレること』であり、もうひとつは『不倫相手との関係性を断ち切れないこと』です。前回の話を観て、ボクが感じた恐怖はまさにそのふたつで、有島は奥さんに追い詰められていて、本当はもう浮気をやめたい心境なのだと思います。美都に対して子どもの話をしたのはそのためであって、普通だったら関係性が断ち切れるはずです。たとえ浮気三昧の人間だったとしても、子どもの存在は大きいですから、おたがいにその話をした時点でアウト。アバンチュールはそこまでで、それぞれ自分の生活に戻っていくタイミングということです。しかし美都は、その辺りの空気を読まない。かといって、新たな人生を一緒に歩むパートナーとして、覚悟を決められる相手かといえば、そういう訳でもない。本当に難しい相手で、絶対に不倫してはいけないタイプです。純愛なのか、単に自身のパートナーに対する当て付けなのか、全然読めないのが不気味で、ボクだったらすぐに別れていますね」

 一方で、有島の態度も「脇が甘すぎる」と、村中氏は指摘する。

「配偶者に『浮気しているの?』と疑いをかけられたとしても、絶対に認めないのが最低限のマナーですよ。一度ついた嘘は、墓場まで持っていけってね。どんな証拠を掴まれたとしても、頑として『俺は浮気はしていない』と言い続ければ、そのうち収まるものです。嘘も貫き通せばまことになる(笑)。大体、相手が『嘘つき!』って責めてくるのは、嘘だと言って欲しいからなんです。だから、その願望を認めてあげれば、大抵の“疑惑“は収まるんですよ。有島はまだまだ甘いですね」

 村中氏の回答は、決して模範的なものでないかもしれないが、しかし偽らざる不倫男の本音でもあるのだろう。純愛を描くのでもなく、かといって不倫のリアリティを描くのでもない、『あなたのことはそれほど』のアプローチだが、少なくとも、ある種の教訓を得られるドラマであることは間違いなさそうだ。

(宮田友也)